米、ファーウェイへの輸出を事実上禁止

2019/5/16 7:23 (2019/5/16 10:52更新)
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【ワシントン=鳳山太成】米商務省は15日、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)に対する米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発表した。米国製の電子部品に依存してきた同社の経営への打撃は避けられない。トランプ大統領は15日、同社を念頭に安全保障上の脅威がある外国企業から米企業が通信機器を調達するのを禁じる大統領令にも署名した。同社への相次ぐ制裁措置で、米中対立が一段と激化するのは必至だ。

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ファーウェイへの事実上の輸出禁止で米中対立は一段と激化も(コラージュ、写真はロイター)

ファーウェイへの事実上の輸出禁止で米中対立は一段と激化も(コラージュ、写真はロイター)

米商務省は同社が制裁対象のイランとの金融取引に関わったと指摘し、輸出管理法に基づき安保上懸念がある企業を列挙した「エンティティー・リスト(EL)」に追加した。企業が米国の製品や技術を同社に輸出する場合は商務省の許可が必要になり、原則却下される。違反した場合は罰金や米国企業との取引禁止などの罰則が科される。

米政権は幹部の起訴や製品の政府調達禁止を通じてファーウェイへの圧力を強めてきた。今回の輸出規制は日本を含む外国企業が米国製品を同社に輸出する場合にも罰則を含めて適用されるため、同社の締め出しに向けた極めて強い圧力となる。

米国の輸出規制対象に入ると事業への影響は大きい。商務省は18年4月、中興通訊(ZTE)がイランに違法に輸出していたとして、米企業との取引を7年間禁じる制裁を科した。米国の半導体などを調達できなくなり経営危機に陥った。18年10月にELに追加された中国の半導体メーカーの福建省晋華集成電路(JHICC)は米国の半導体製造装置の輸出が規制され、半導体の量産計画が頓挫した。

トランプ政権は米国内からファーウェイ製品を完全に排除する姿勢も鮮明にした。同社を念頭においた15日の大統領令では「外国の敵対勢力」の管轄下にある企業が手掛けた情報通信機器やサービスの取引を禁止した。ロス商務長官に対し、実施時期も含む詳細なルールを150日以内に策定するよう指示した。

米国ではすでに米AT&Tなど大手通信会社はファーウェイなどの機器を避けており、一部の中小企業を除いてファーウェイ製品は使われていない。大統領令には「抜け穴」を完全にふさぐ狙いがある。

米政権はスパイ活動やサイバー攻撃を警戒し、中国の通信機器メーカーや通信会社を排除する動きを強めてきた。18年8月には政府機関が中国2社から製品を調達するのを禁じた。米連邦通信委員会(FCC)も補助金を受け取る通信会社の調達を禁じる規制を導入している。

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