2019年5月24日(金)

スルガ銀前期、971億円の赤字

金融機関
南関東・静岡
2019/5/15 19:58
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スルガ銀行が15日発表した2019年3月期の連結決算は、最終損益が971億円の赤字(前の期は69億円の黒字)だった。不正が横行した投資用不動産向け融資の焦げ付きに備えた引当金が響き、02年3月期以来17年ぶりの最終赤字となった。巨額の不良債権処理で損失懸念を一掃し、再建を進めたい考えだ。

記者会見するスルガ銀行の有国三知男社長(15日、静岡県沼津市)

投資用不動産向け融資での不正を受け、不良債権処理損失から償却債権取り立て益を除いた実質与信費用は1363億円に達した。

このうち、シェアハウス関連融資先が977億円を占めた。1棟収益ローンなど投資用不動産ローンが222億円で、創業家関連(ファミリー)企業向けが134億円。シェアハウス関連融資の保全率は92%で、18年12月時点からほぼ横ばいだった。

本業のもうけを示す単体の実質業務純益は531億円で22%減少したものの、貸出金利回りは0.29ポイント低下の3.32%で、地域金融機関としては高い水準を維持した。総資金利ざやは0.23ポイント低い1.45%。

財務の健全性を示す自己資本比率は連結で8.90%で、規制で求められる4%を大きく上回った。ただ、19年3月末の預金残高は3兆1656億円で、18年3月末に比べて9240億円も減少している。

預金減少の規模は大きいが、有国三知男社長は「(流出が)完全に止まったわけではないが、潤沢な資金は確保できている」と説明する。

20年3月期の連結業績は、経常損益が160億円の黒字(前期は743億円の赤字)、最終損益も105億円の黒字に転換すると見込む。不良債権処理が一服するうえ、比較的金利の高い個人向けの貸し出しが収益を下支えする。

                  ◇

スルガ銀行は15日、投資用不動産向け融資で書類改ざんなどの不正行為や、不適切な行為が疑われる融資額が1兆円規模と上ったとの調査結果を正式に発表した。ただ、有国三知男社長は「足元の延滞率は低く、1棟収益物件の入居率も高い。貸倒引当金も十分積んでいる」と述べ、影響が限定的であると強調した。一問一答は次の通り。

――今回の調査結果をどのように受け止めているか。

「これだけの不正が発見され、とても申し訳ない。顧客や関係各所に迷惑をかけたと反省している。一方で足元の延滞率、引当金などを見れば、現状の貸出資産は守ることはできる」

「我々は年に1回、1棟収益物件について現地調査をしている。社員が現地に行って目視で入居状況などを確認している。地域によってばらつきはあるが、平均で入居率は85%に達している。通常の相場と比較しても、高い数字だと認識している」

「問題となったシェアハウスは別にして、顧客サポートも丁寧に行い、与信管理を徹底してきた。融資の入り口部分だけでなく、融資後に問題があれば改善策を提案するなどのノウハウも蓄積している」

――今後も投資用不動産ローンが収益の柱になるのか。

「投資用不動産ローンは、(5月下旬に予定する)融資再開をしたからといって全力でアクセルをかけていくわけではない。個人向け融資をやっていきたいというのは変わらない」

――18年4~9月期の決算発表では「資金繰りに心配はない」と言っていた。

「9月以降、預金残高が減少しているのは事実。ただ、年明け以降は全体で630億円ほどの減少にとどまり、19年4月以降も落ち着いている。足元では潤沢な預金が確保できている。支払い不安があるとは思っていない」

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