2019年5月24日(金)

マレーシア、「特定技能」で日本と覚書締結を検討

東南アジア
2019/5/15 19:48
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【シンガポール=中野貴司】マレーシアのクラセガラン人的資源相は15日、日本政府が新設した在留資格「特定技能」について、日本と協力覚書の締結を検討していることを明らかにした。日本で専門の技能を磨いたマレーシア人が本国にノウハウを還流すれば利点が大きいとして、早期の締結を目指す。

フィリピンでは日本の在留資格「特定技能」を得るための試験がすでに始まった(4月、マニラの大学)=共同

クラセガラン氏は15日の声明で「マレーシア人が日本で働くことができれば好条件の給与を得られるだけでなく、高水準の技能を身につけられる」と、覚書締結がマレーシア国民の利益になると強調した。一方、日本政府が日本語能力などの要件を求めている点を挙げ「在留資格を得るのは簡単でない」と指摘した。

悪質なブローカーを排除し、資格を得た労働者が適切な保護を受けられるようにするため、覚書締結に向けた詰めの作業を進めている段階だと、現状を説明した。

日本では4月1日に改正出入国管理法が施行された。新たに設けられた在留資格「特定技能」では介護や宿泊など人材不足が深刻な14業種を対象にして、一定の技能と日本語能力を持つ外国人に日本での就労を認める。フィリピンやネパールなどはすでに日本と覚書を交わした。フィリピンでは資格取得のための試験も始まった。

近隣の東南アジア諸国が自国民の日本における就労機会の拡大を目指すなか、マレーシアも追随する方向となった。ただ、マレーシアの1人あたり国内総生産(GDP)は1万ドル(約110万円)を超え、東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟する10カ国のなかで比較的高い。介護などの仕事に対する需要がどの程度あるかは不透明だ。

日本政府関係者は「マレーシア政府は特定技能制度の詳細をようやく理解し始めた段階だ。同国から実際に人材を受け入れるまでには、まだ時間がかかる」との見通しを示している。

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