2019年7月23日(火)

ギャンブル依存症、予防教育広がる 国や自治体

2019/5/15 20:08
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カジノ解禁を踏まえ、ギャンブル依存症に関する学習を学校に取り入れる動きが広がっている。文部科学省は教員向けに基礎的な知識を盛り込んだ参考資料を作成した。「予防教育」と位置づけ、2022年度からは高校で必修とする。カジノ誘致を進める自治体は児童生徒向けのリーフレットをまとめるなど独自の対策も行う。

文部科学省が教員向けに作成したギャンブル依存症予防の参考資料

16年12月にカジノを含む統合型リゾート(IR)整備推進法が成立し、国内でのカジノが解禁された。同法は付帯決議でカジノや競馬、パチンコなどへの依存症について、教育的な取り組みを進めることを明記した。22年度実施の高校の新学習指導要領も、保健体育でギャンブル依存の危険性や生活への悪影響に触れるよう規定した。

文科省が今年4月に公表した教員向けの参考資料は、指導のために必要な基本的知識を網羅した。新指導要領を先取りして活用できる。

資料は、ギャンブルは楽しんでいてもだんだん物足りなくなり、生活面で問題が起きてもやめられない状態へ進むとし、思考を担う脳の前頭前野の機能も低下することなども解説する。依存症への対応方法として、保健所や精神保健福祉センターへの相談や専門医療機関での治療を勧めている。

子供たちにとってより身近なオンラインゲームへの依存にも項目を割き、課金してくじを引き、アイテムを獲得する「ガチャ」は射幸性が高く、ギャンブルにつながる危険性もあると注意喚起している。

IR誘致を目指す和歌山県は文科省の参考資料を基に、小中高校の予防教育で使うリーフレットを作り、19年度中に配布する計画だ。IR誘致で生じる依存症への懸念を踏まえた。精神科医やギャンブル依存症に詳しい大学教員らを招いた授業の実施や、スマートフォンやインターネットへの依存度を調べるチェックシートの作成も検討している。

大阪府・市のIR推進局は18年12月、府内の全ての高校3年生に、ギャンブル依存症予防のリーフレットを配った。「将来、ギャンブルにのめり込まないために」と題し、依存症の原因や相談窓口を掲載した。

ギャンブル依存症対策をめぐっては、政府は今年4月、基本計画を閣議決定した。競馬や競輪などの公営ギャンブルやパチンコの事業者に施設・店舗からのATM撤去や、顔認証システムを活用した入場制限策の研究を求めた。インターネットを通じて馬券などを購入するネット投票では購入額に上限を設けることも定めた。

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