2019年5月23日(木)

シンガポール不動産大手、中国中堅に880億円投資

東南アジア
アジアBiz
2019/5/15 18:33
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【シンガポール=中野貴司】シンガポールの不動産開発大手シティ・デベロップメンツ(CDL)は15日、中国の中堅不動産シンシア・プロパティー・グループに出資すると発表した。融資と合わせた総投資額は55億元(約880億円)で、実質的に約24%の持ち分を取得する。中国市場を海外事業の柱と位置づけ、住宅や商業施設の開発を加速する。

出資を発表するCDLのシャーマン・クエック・グループCEO(15日、シンガポール)

CDLのシャーマン・クエック・グループ最高経営責任者(CEO)は15日、「中国の不動産会社に有意義な出資割合を確保できるまたとない投資機会だ」と強調した。シンシアのウー・シュー会長も「CDLの国際的なノウハウを取り入れれば、不動産ファンドの運営など新分野への進出も可能になる」と述べた。

CDLは出資に加え、シンシアから上海の商業施設の持ち分70%を12億元で取得する。保有不動産全体に占める中国の割合は9%から15%に高まり、シンガポール(46%)に次ぐ規模となる。

CDLが大型出資を決めたのは中長期的に中国市場の開拓余地が大きいとみているためだ。シンシアは上海や重慶、広州など主要20都市に拠点を持ち、開発・投資する不動産も住宅やオフィス、工業団地などと幅広い。年内に出資を完了後、CDLの中国事業と融合を進め、主要都市で開発を手掛ける体制を整える。

足元では米中の貿易摩擦が懸念材料になっているが、シンシアのウー氏は「今後10年間、中国の不動産市場は持続的に成長する」との認識を示した。クエック氏は「両国の経済にマイナスの影響を与える貿易摩擦が、長続きしないことを望んでいる」と述べた。

CDLが15日に発表した2019年1~3月期決算は、純利益が1億9956万シンガポールドル(約160億円)と前年同期に比べ2.3倍となった。保有不動産の売却益が利益を押し上げた。

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