2019年6月26日(水)

アジアでクラウド資金調達を支援 CAMPFIRE

日経産業新聞
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2019/5/16 4:30
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

ネット上で小口資金を不特定多数の人から募るクラウドファンディング(CF)仲介サイトを運営するCAMPFIRE(キャンプファイヤー、東京・渋谷)はKDDIのファンドなど4社から総額11億5000万円を調達した。今夏にも東南アジア地域でCFを始める計画だ。海外事業などを率いる大東洋克・最高執行責任者(COO)に調達の狙いを聞いた。

CAMPFIREの大東洋克・最高執行責任者(COO)

CAMPFIREの大東洋克・最高執行責任者(COO)

――調達した資金の使い道は何でしょう。

「サービス開発や人材採用などに充てる。資金提供の見返りに金額に応じた商品やサービスを提供する『購入型』のCFで、夏にもアジア地域でサービスを本格的に始める計画。昨年から海外サービスとの間で案件を紹介し合っていたが、海外のプロジェクトを直接支援できるようにする」

「これまで購入型のCFを中心に展開してきたが、事業資金の借り手と貸し手を仲介する『融資型』も近く立ち上げる。投機的な目的が大きいソーシャルレンディングではなく、CFの特性を生かし、社会課題を解決する案件への資金流通を一段と増やすサービスにしたい。購入型、融資型のサービスを通じて金融アクセスの手段を広げたい」

――具体的にどのような案件を支援しますか。

「既存のソーシャルレンディングは数千万円、数億円規模の不動産投資などが多いが、当社は数百万円の規模の融資も実施する計画だ。主なテーマは社会貢献や地方創生に関する案件。人手や機械が足りない農業分野や、事業承継に必要な人材採用の支援などが想定される。文化やスポーツの領域も考えている」

――2018年にはソーシャルレンディングを巡る不祥事が相次ぎました。

「当社もコンプライアンス体制を強化しており、今回の資金調達もその一環だ。金融やセキュリティーといった分野の専門人材を採用している。事業者としての信頼が第一だ。購入型であれ、融資型であれ、事業者の不祥事が起きると一瞬で信頼を失ってしまう。審査や投資家保護の仕組みを徹底する」

インドネシアなど東南アジアでもクラウドファンディングを支援する

インドネシアなど東南アジアでもクラウドファンディングを支援する

――KDDIのファンドや伊藤忠など大手企業から資金を調達していますが、事業面で今後の展開は。

「KDDIはフィンテック事業に力を入れており、当社のCFの知見を使った新たな金融サービスで協業する。伊藤忠とは海外事業を中心に連携したい。まずはアパレル分野のプロジェクトから始めていく」

「案件を効率よく支援できるように、審査に人工知能(AI)などのテクノロジーを使うことも検討している。購入型、融資型のCFの両方で、社会を継続的に支援できる金融サービスが求められている。お金を集めるだけでなく、事業者の声を伝えるメディア的な役割も果たしたい」

■投資家の保護にも配慮を

CAMPFIREは2011年に国内で資金提供の見返りに金額に応じた商品やサービスを提供する「購入型」のクラウドファンディング(CF)を始めた草分け的存在だ。利用した企業や個人が調達した金額は累計で110億円に達する。今回の資金調達を機にKDDIなど大企業とのサービス連携を進める。

今後は国内事業に加え、日本からインドネシアやカンボジアなどに進出したい企業や個人のCFを支援する。伊藤忠商事とは、日本に進出していないアパレルなどのブランドの需要予測にCFを活用し連携する考え。

新規事業として力を入れるのが「融資型」と呼ぶCFだ。お金の借り手と貸し手をつなぐソーシャルレンディングと同様の仕組みを取る。既存の金融機関から融資を受けられない事業者の有力な資金調達手段だが、虚偽表示などトラブルも多い。

CAMPFIREは地域の課題を解決する案件をそろえ、不動産など従来のソーシャルレンディングが手がける高額な投資案件とは一線を画すという。投資家を保護しながら成果を出す仕組みが重要だ。

(企業報道部 駿河翼)

[日経産業新聞2019年5月14日付]

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