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ケンタッキーダービーで健闘、日本ダート馬の可能性

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2019/5/18 6:30
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マスターフェンサーは今年、このポイントランキングで4位に入り、上位3頭が辞退したことで出走権を得た。この制度を利用してケンタッキーダービーに遠征した日本調教馬は今回が初めて。加えて、過去の2頭の日本調教馬は外国産馬で、マスターフェンサーは日本産の日本調教馬として初めてのケンタッキーダービー出走馬ともなった。様々な観点から、同馬の挑戦は歴史的なものといえた。結果も日本調教馬の史上最高着順。成果は大きかった。

マスターフェンサー(右から2頭目)はケンタッキーダービーで日本調教馬史上最高の6着と健闘した=USA TODAY

マスターフェンサー(右から2頭目)はケンタッキーダービーで日本調教馬史上最高の6着と健闘した=USA TODAY

今年はほかにも、海外のダート戦で前例のない活躍をした日本調教馬が現れた。舞台は米国ではなく、3月末のドバイ。ダート1200メートルのG1、ドバイ・ゴールデンシャヒーンでマテラスカイ(牡5、栗東・森秀行厩舎)が2着に入った。ダート1200メートルの海外G1で、日本調教馬初の連対となった。同馬の陣営は11月のブリーダーズカップ・スプリント(G1、米・サンタアニタパーク、ダート約1200メートル)に挑戦する意向だ。

ダートのスプリント戦線は国内でも地味な扱いを受けている。2000メートル級を戦うダート中距離馬と比較しても、海外との実力差が大きいと考えられていた。スプリント路線からも海外G1で好勝負する馬が出現した事実は、日本のダート馬全体の水準が向上していることの証明ともいえそうだ。

日本ではダート戦は芝と比べると一段下にみられる傾向があった。ダートの重賞路線が現在のように整備され始めたのは1990年代の半ば以降である。中央では97年にフェブラリーステークスがダートのレースとして初めてG1に昇格。93年には3つしかなかったダート重賞の数も年々増加し、10年以降は毎年15レース以上行われている。95年以降はダートが主体の地方競馬との交流が拡大。地方で行われる交流重賞も97年から全国的に統一した格付けがされるようになった。こうした動きが始まってから20年以上がたって、ようやく強化が進み、本場の米国でも勝負になる馬が出るようになった。

注目すべきはマスターフェンサー、マテラスカイともに、日本国内で「不動の最強馬」というような立ち位置ではない馬だということだ。マスターフェンサーは日本国内で最後に走ったオープン特別、伏竜ステークス(中山、ダート1800メートル)で2着。マテラスカイもスプリント路線でトップクラスの馬ではあるが、昨年のJBCスプリント(Jpn1、京都、ダート1200メートル)では2着に敗れた。

米3歳三冠路線に潜在的な遠征ニーズ

日本国内のダート戦線では今年の4歳世代の層が厚く、18年のチャンピオンズカップ(G1、中京、ダート1800メートル)を勝ったルヴァンスレーヴがダート最強馬と目されている。「もしもルヴァンスレーヴが遠征をすれば……」。マスターフェンサーやマテラスカイの好走をみて、そうした思いが頭をよぎった人も少なくないだろう。海外の競馬への適性や違う環境への適応能力などもあり、国内でこの2頭より強い馬が海外で力を発揮できるとも限らない。だが、最強クラスではない層の馬が好走することで、国内の競馬関係者の海外遠征への意欲をかき立てる効果も期待できる。

特に米国の3歳三冠路線には潜在的な遠征ニーズがありそうだ。日本中央競馬会(JRA)は2~3歳春にダートの高額賞金レースを設定することに消極的である。3歳世代最初の中央ダート重賞は日本ダービー(G1、東京、芝2400メートル)終了後の6月に組まれるユニコーンステークス(G3、東京、ダート1600メートル)までない。頂点であるダービーに向け、芝のレースを中心に番組を編成したいとの考えからだ。ダートで賞金を稼いでダービーに出走するという道を狭める狙いもある。

厩舎関係者からは3歳の優秀なダート馬を出走させるレースが少ないという不満の声も聞かれる。費用との兼ね合いもあるが、3歳ダート馬の目標としてケンタッキーダービーなどへの遠征を選択する陣営が今後増える可能性もある。特に米国馬が距離延長を嫌うベルモントSでは、日本調教馬が優勝争いに絡むケースが出てくるかもしれない。今年のマスターフェンサーにも、そのチャンスはある。

(関根慶太郎)

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