2019年7月18日(木)

ドイツ車、EVにアクセル踏み込む VW、電池も自社生産

自動車・機械
ヨーロッパ
2019/5/14 19:53
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【ベルリン=深尾幸生】ドイツの自動車大手が電動化戦略を一段と加速している。フォルクスワーゲン(VW)は電気自動車(EV)用電池の自社生産に10億ユーロ(約1230億円)弱を投資する。ダイムラーは2030年までに新車販売の半分をEVかプラグインハイブリッド車(PHV)に切り替える。二酸化炭素(CO2)削減の流れが世界的に強まるとみて、アクセルを踏み込む。

株主総会で登壇するVWのディース社長(14日、ベルリン)

14日、VWがベルリンで開いた株主総会。冒頭でヘルベルト・ディース社長は「電池はEVのカギを握る。継続的に増加する需要を鑑み、VWは電池セルの生産にも歩を進める」と宣言した。スウェーデンの電池スタートアップ、ノースボルトと組んで独西部のザルツギッターで22〜23年に量産を始める。

前日に船舶用エンジンなどを手がける子会社の独MANエネルギーソリューションズと部品の独レンクについて売却を含めて検討すると表明。延期していたトラック・バス部門のIPO(新規株式公開)の準備も再開し、夏前に上場させる。これらの収入で、23年までに300億ユーロにのぼる電動化投資の一部をまかなう。

電池不足のリスクはすでに表面化している。子会社アウディのブリュッセル工場。新型EV「eトロン」の発売直後の3月に訪ねても、生産ラインはいかにものんびりしていた。韓国LG化学からの電池の調達遅れが一因で、アウディは韓国サムスンSDIからも調達して量産を軌道に乗せる考えだ。

VWは「21世紀の大衆車」とうたい年末から量産を始める戦略車「ID.3」をはじめ、28年までに約70車種のEVを投入する。低コストの電池の安定的な確保は、その生命線となる。

13日にはダイムラーが39年に乗用車からのCO2排出をゼロにする「カーボン・ニュートラル」の計画を発表。30年に乗用車の新車販売の半分をEVかPHVにし、その後は燃料電池車などの普及も目指す。走行時だけでなく生産過程やサプライチェーンも含めて排出ゼロにする。VWも50年を目標にカーボン・ニュートラルを目指す。

VWとダイムラーは電動化を前提としてその次を見すえ始めた。自動車世界最大手と高級車最大手の2社が流れをつくったことで、取引先の部品メーカーを含めた自動車業界全体が対応を迫られそうだ。

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