2019年6月18日(火)

フィリピン中間選挙、大統領派が圧勝 連邦制導入に弾み

東南アジア
2019/5/14 18:34
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【マニラ=遠藤淳】フィリピンで行われた統一国政・地方選挙(中間選挙)の大勢が14日判明し、ドゥテルテ大統領を支持する勢力が上院で圧勝した。ドゥテルテ氏は2022年までの任期後半も議会への影響力を維持する。最重要課題に掲げる連邦制などの実現に向けて弾みを付けた形だ。

選挙集会で演説後、候補者と手を上げるフィリピンのドゥテルテ大統領(中)(11日、マニラ首都圏)=三村幸作撮影

「中間選挙は私に対する信任投票だ」。ドゥテルテ氏は13日、地元の南部ミンダナオ島ダバオ市で投票した後、こう語った。中間選挙は1期6年の大統領任期の折り返しの年に実施し、上院の半数にあたる12議席、下院の約300議席、全81州の知事など約1万8千のポストを選ぶ。

政権運営を左右する上院では12議席のうち、ドゥテルテ氏に近い候補が9議席を獲得した。最側近のクリストファー・ゴー前大統領補佐官や強引な薬物捜査を指揮したデラロサ前国家警察長官、長期独裁政権を敷いた故マルコス大統領の長女アイミー・マルコス氏らが当選した。残る3人も政権寄りの立場を取る。

逆に反ドゥテルテ派の2人、アキノ前大統領のおいで現職のバム・アキノ氏と前内務・自治相のマヌエル・ロハス氏は落選した。非改選を含めた上院24議席のうち、6人いた反ドゥテルテ派は4人に減った。

歴代大統領は任期後半になると影響力を失うことが多かったが、自派閥を増やしたドゥテルテ氏は「実現していない公約にこれから取り組める」(サント・トーマス大学のデニス・コロナシオン教授)。

「マニラ嫌い」を公言するドゥテルテ氏は、連邦制導入で地方の自治権を強化し、中央が握る既得権益にメスを入れる考え。ミンダナオ島西部でイスラム自治政府の樹立にメドを付けたことも、連邦制に道筋を開く狙いがあるとされる。

2018年7月には自らが立ち上げた諮問機関が連邦制導入を盛り込んだ新憲法草案を作成、同年11月には憲法改正に取り組む省庁横断の組織を立ち上げた。マニラ出身の議員の抵抗などで議会での改憲議論は停滞していたが、再び動き出しそうだ。

ドゥテルテ氏は薬物犯罪に対する死刑制度の導入や、輸出企業への優遇措置を減らす税制改革も目指している。一部には改憲で現行憲法が禁じる再選を目指すのではないかとみる向きもある。

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