2019年9月21日(土)

ふるさと納税、泉佐野市など4市町除外を正式発表
6月からの新制度で総務省

2019/5/14 15:10
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総務省は14日、6月に始まるふるさと納税の新制度で静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4市町の参加を認めないと発表した。6月1日以降、寄付しても制度上の税優遇は受けられない。返礼品の過度な競争に歯止めをかけた格好だが、寄付の3割までは法律で返礼品にお墨付きを与えたことで次の競争が生まれる可能性がある。

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地場産品の返礼品をアピールする自治体がある一方、アマゾンギフト券や高額品でふるさと納税を集めた自治体もあった

地場産品の返礼品をアピールする自治体がある一方、アマゾンギフト券や高額品でふるさと納税を集めた自治体もあった

新制度には4市町と参加を辞退した東京都を除く1783自治体が参加する。これらの自治体への寄付にはこれまで通り税優遇がある。

総務省は昨年11月~今年3月の寄付集めの状況から参加の可否を決めた。返礼品を寄付額の3割以下の地場産品に限る適正な手法で最多の50億円を集めた北海道根室市を基準とし、不適正な手法でこれを上回る額を集めた4市町を除外した。

泉佐野市や小山町、みやき町は地場産品でないアマゾンのギフト券、高野町は旅行券を寄付した人に贈った。菅義偉官房長官は14日の記者会見で「対象外としたのはやむを得ない措置だ」との認識を示した。

一方、高野町の平野嘉也町長は同日、「地方の自主性を尊重していく国の方針に逆行しているのではないか」とコメントした。

大部分の自治体には2020年9月まで参加を認めたが、北海道森町や福岡県行橋市、大阪府熊取町など43市町村は今年9月まで4カ月だけの「仮免許」を与えた。

除外する4市町ほどではないものの不適切な返礼品を出すなど寄付集めの手法に問題があった。適正に寄付集めをした自治体の平均が1億円強なのに対し、不適正な手法で2億円を上回る寄付を集めた。10月以降も続けるには手法を改めたうえで7月に再び申請し、指定を受ける必要がある。

17年度のふるさと納税の寄付総額は3653億円で、18年度はさらに増えたもよう。泉佐野市は497億円、小山町は250億円、高野町は196億円、みやき町は168億円を集めた。

ふるさと納税サイト運営大手のトラストバンク(東京・目黒)の川村憲一執行役員は「4市町への寄付はほかの自治体に流れる。全体は増加が続く」と予想する。

3月に成立した改正地方税法は「返礼品は寄付額の3割以下」と明記した。08年の創設時には想定しなかった寄付への返礼品を初めて法律に位置づけ、国が寄付の3割の返礼品にお墨付きを与える格好になった。

「これまで返礼品を出さなかった自治体や還元率の低かった自治体が寄付の3割の返礼品を始めるかもしれない」(総務省幹部)との見方もある。税収を奪い合う懸念を残したままの制度が持続可能なのか、新制度にも課題は残りそうだ。

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