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ふるさと納税、制度設計に甘さ 仲介サイトにも問題

ふるさと納税は当初、返礼品を送る発想がなかったが…(総務省のポータルサイト)

過熱するふるさと納税の返礼品問題で、とうとう制度から退場させられる自治体が出ることになった。再三のイエローカードにもかかわらず、趣旨にそぐわない返礼品を出し続けた結果だが、行き過ぎを許した制度設計に甘さがあった面もある。一部の仲介サイトがこうした返礼品を紹介し続けたことも過度の競争をあおる要因になった。

ふるさと納税は当初、返礼品を送る発想がなく、地方税法に返礼品の規定はなかった。その後、寄付をたくさん集めるにはお得感のある返礼品が手っ取り早いと高い割合のお礼が相次ぎ「官製ネット通販」の様相を呈した。総務省は繰り返し警告を出したが、創意工夫だとする自治体を抑えられなかった。

こうした法律が想定しない事態は地方自治の現場でしばしば起こる。市長が議会を開かず専決処分で議案を次々に決めた鹿児島県阿久根市や議長選挙を99回も繰り返した沖縄県与那国町のような例だ。これは地方自治の観点から自治体の良識や自主性に委ねるという性善説の裏返しである。

ただ、ふるさと納税は阿久根市や与那国町のような一自治体内だけの問題ではない。節税に関心の高い都市部の高額所得層や、IT企業が運営する仲介サイトなど利にさといプレーヤーがかかわる以上、地方自治や税制の観点にとどまらない丁寧な制度設計が求められる。

民泊仲介大手が違法民泊を仲介サイトに掲載し続けて批判を浴びたように、金券などの返礼品を紹介し続けた一部の仲介サイトにも混乱の責任の一端がある。総務省の要請に応じて、問題のある返礼品を掲載しなかった仲介サイトがシェアを落とすなど、正直者が損をする事態も起きているようだ。不断の点検が必要である。

(編集委員 斉藤徹弥)

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