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令和のスポーツ界 自ら動き時代を変える力に
FIFAコンサルタント 杉原海太

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2019/5/15 6:30
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5月から元号が令和に変わることをとらえて、さまざまな立場の人が新しい時代のあるべき姿について語っている。しかし、寡聞にして、そうした情報発信にスポーツ界発のものは少ないように思える。令和の時代に求めるスポーツの在り方について考えてみた。

某日、ラグビー狂の知人と話をしていたら、今年日本で行われるラグビーのワールドカップ(W杯)は令和元年に行われる初のビッグイベントであることを、しきりに強調していた。「当のラグビー関係者はそのことをあまり意識していないようだ」とも。知人はそのことが歯がゆくて仕方ないようだった。

「せっかく、令和元年にやるのだから、ハコモノじゃないレガシー(遺産)があるべきで、そういうイメージをもっと活用できないものか……」

古い慣行・体質と格闘した平成時代

元号とスポーツは直接関係がないように思える。しかし、「昭和」から「平成」という時代の移り変わりの中で、いろいろな価値観の変動があり、後になって振り返ると、そのこととスポーツは非常に相関性が高いことに気づかされる。スポーツは時代を映す鏡だとしみじみ実感するのである。

例えば、平成をざっくりまとめると「編入」「再編」「グローバルスタンダード」といった言葉とひも付けられる。昭和的な古い慣行や体質から抜け出そうと格闘したのが平成という時代であったと。

いささか乱暴だが、プロを含む野球界は昭和的、Jリーグ誕生後のサッカー界は平成的といった見方もできるかもしれない。1993年のJリーグ発足を機に欧米のグローバルスタンダードを採り入れた日本サッカーは、W杯出場の常連になり、世界に追いつき追い越せという一大ムーブメントを巻き起こした。正確にはJリーグをプランニングしたのは昭和の終わりだったが、平成の間に時代を象徴するプロスポーツとしてすっかり定着した。

Jリーグは平成の間に時代を象徴するプロスポーツとしてすっかり定着した(1993年11月)=共同

Jリーグは平成の間に時代を象徴するプロスポーツとしてすっかり定着した(1993年11月)=共同

Jリーグの素晴らしさは、昭和の終わりに、地域密着と並行して国際親善や国際競争の重要性を先取りし企画した先進性にあった。だからこそ人々は熱狂したわけである。それを横目に見ながら、昭和から平成モデルへと球団の在りようを発展させたプロ野球の新興球団も現れた。そうやって相互に影響し合いながら、スポーツをビジネス、社会貢献、国際交流など、いろんな側面からきちんととらえられるようになったこと。これも平成の時代の大きな変化かもしれない。

平成の時代に選手個人の在りようも大きく変わった。大リーグに挑戦した野茂英雄さん、セリエAに挑戦した三浦知良、中田英寿さんをパイオニアに、あらゆる競技で海の外に出て活動し、頂点にチャレンジするのが当たり前になった。昭和の時代とはまったく異なるインパクトを、アスリートがスポーツという枠を超えて社会に与えるようになった。

そうやって考えてみると、これからも日本のスポーツは何らかの形で「令和」という時代を色濃く反映するのは間違いないだろう。そうであるならば、ただ時代を受け身で映すのではなく、スポーツ界が自ら能動的に「令和という時代をこういうふうにしたい」「社会をこういうふうに変えたい」とアピールしてもいいのではないだろうか。その点で現在のスポーツ界に物足りなさを覚えるのは私だけだろうか。

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Jリーグは平成の間に時代を象徴するプロスポーツとしてすっかり定着した(1993年11月)=共同共同

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