希少オウム、記録的繁殖期 NZで70羽以上誕生
【シドニー=共同】ニュージーランド自然保護省は13日までに、世界で唯一飛べないオウムとされ、絶滅の危機にひんしている固有種の「カカポ」(フクロウオウム)のひなが70羽以上誕生し、記録的な繁殖期を迎えていると発表した。成鳥は147羽しか確認されておらず、個体数の増加に期待がかかっている。

先住民マオリの言語で「夜のオウム」を意味するカカポは夜行性。最も重いオウムとされ、オスの体重は4キロに達することもある。ニュージーランドで一般的な鳥だったが、19世紀以降、欧州からの入植者が持ち込んだオコジョなどの外来動物による捕食や森林伐採などの影響で1990年代までに激減。政府が天敵のいない離島に移すなどして繁殖計画に乗りだした。
餌とするリムの木の実がなる2~4年に一度しか繁殖しない。地元メディアなどによると、リムの実はカカポの健康や生殖力に影響を与えるスーパーフードのような存在という。今年は豊作で、前回の繁殖期だった2016年を大きく上回る60羽程度が成鳥に達すると見込まれている。
ひなは安全な施設で飼育された後、送信機を付けて野生に放たれる。