ハンガリー首相、米接近を演出 強権政治に「お墨付き」

2019/5/14 6:12
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【ベルリン=石川潤】強権的な政治を進めるハンガリーのオルバン首相が13日、ワシントンでトランプ米大統領と会談した。トランプ氏は「タフだが尊敬できる男だ」と述べ、オルバン氏が移民流入の阻止などで「正しいことをした」と持ち上げた。オルバン氏はこれまでかなわなかったホワイトハウスでの米大統領との会談を果たし、強権政治に事実上のお墨付きを得たかたちだ。

ハンガリーのオルバン首相(右)を出迎えるトランプ米大統領=AP

ハンガリーのオルバン首相(右)を出迎えるトランプ米大統領=AP

法の支配や報道の自由を軽視する「非リベラル民主主義」を掲げるオルバン氏は、これまで欧州連合(EU)と激しく衝突してきた。欧州議会選挙まで2週間を切ったこのタイミングでポピュリズム(大衆迎合主義)の代表格であるオルバン氏がトランプ氏に会うのは、独仏などの欧州主流派にとって打撃だ。

7日にはポンペオ米国務長官がメルケル独首相らとのベルリンでの会談を直前にキャンセルしたばかり。イラン核合意への対応や気候変動問題、貿易摩擦などで米欧関係にすきま風が吹いていることも、今回のオルバン氏への厚遇ぶりを際立たせている。

トランプ氏はロシアのプーチン大統領や中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席、フィリピンのドゥテルテ大統領などの強権的なリーダーと気が合う。だが、オルバン氏との面談に踏み切ったのは、ロシアや中国が影響力を強める中東欧で、ハンガリーを北大西洋条約機構(NATO)の一員としてしっかりとつなぎ留めるためだ。

米国はドイツなどを素通りし、ハンガリーやポーランドなどとの関係を直接強化しようと動いている。ハンガリーはEUだけでなく、米国、ロシア、中国とのバランス外交によって存在感を維持したい考えだ。

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