中国が米国の通商政策を批判、WTO改革求める文書で

2019/5/14 4:03
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【ジュネーブ=細川倫太郎】中国は13日、世界貿易機関(WTO)に改革に関する提案文章を提出した。直接の名指しは避けたが、安全保障を盾にした関税の引き上げなど貿易摩擦が激化している米国の通商政策を批判した。「WTOは前例のない危機に直面している」と述べ、WTO改革の前進を要求した。

中国はWTOでも米国と火花を散らしている(中国の張向晨・WTO大使)=ロイター

中国は「最近の一方的な保護主義が多国間主義と自由貿易体制に打撃を与えた」と非難し、WTOの権威と有効性を損なっていると指摘した。特に途上国の利益に悪影響を及ぼしていると強調した。

米国は2018年、国家の安全保障が脅かされているとし、主要国の鉄鋼やアルミニウムの関税を引き上げた。WTOは安保を理由にした輸入制限を例外として認めている。中国は「例外規定の乱用が、ルールに基づく自由で開かれた国際貿易秩序を著しく傷つけた」と文章に記載した。

WTOの紛争解決機能を巡っても米国の対応を批判した。現在、最終審にあたる上級委員会の裁判官が一部欠員している。米国が判決への不満などから補充や再任を拒否しているためで、「永久的な任命拒否は上級委員会を機能不全にする危険性がある」と警告した。

中国はグローバルな自由貿易と投資を促進させるにはWTOが「最も望ましい場」とも訴えた。WTO改革に必要な取り組みとして、WTOを脅かす問題の早急な解決や組織運営の効率化などを挙げ、自らも改革に積極的に関与する姿勢をにじませた。

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