2019年6月25日(火)

豪総選挙終盤戦 野党優位

南西ア・オセアニア
2019/5/13 22:13
保存
共有
印刷
その他

【シドニー=松本史】オーストラリアの総選挙(下院、定数151)は18日の投開票に向けて終盤戦に入った。世論調査ではショーテン党首(52)率いる最大野党・労働党が、モリソン首相(51)の保守連合(自由党と国民党)に対し接戦ながら優勢を保ち、6年ぶりの政権交代を狙う。住宅価格が下落し経済に不透明感が漂う中、与野党は雇用創出や産業振興などの公約を相次ぎ繰り出し、支持固めを急ぐ。

8日、党首討論に臨んだ労働党のショーテン党首(左)とモリソン首相=AAP

上院(定数76)の約半数も改選する。今回は6月末に上院議員の約半数の任期が切れるのに合わせて総選挙を実施する。

豪紙オーストラリアンと調査会社ニューズポールが12日実施した世論調査では、支持率は労働党が51%、保守連合が49%。18年に最大12ポイントまで広がった差は2ポイントまで縮小し接戦となっている。ただ、13年に政権に就いて以降、党内紛で首相交代を繰り返した与党への国民の視線は厳しく、労働党は2年半にわたり支持率で優位を保っている。

「時代に逆行した政権のせいで、電気自動車(EV)の普及が進んでいない」。5月、ショーテン氏はこう語り、政権を奪取した後に新車販売に占めるEV比率を2030年、50%まで引き上げると強調した。

労働党はEVなどに使われるリチウムイオン電池などの国内生産を支援する公約を掲げる。その他、10億豪ドル(約800億円)を投じて水素エネルギーの研究開発を進めるなど、環境配慮と雇用創出を両輪とした経済成長を訴える。背景には支持母体の労働組合に加え、環境問題に敏感な都市部の有権者の取り込みを狙う思惑が透ける。

一方、モリソン氏は防衛産業など安全保障を絡めた振興策を打ち出す。「労働党の前政権でどれだけの艦艇が建造されたか。ゼロだ」。4月末、西オーストラリア州を訪れたモリソン氏はこう述べ、労働党の防衛戦略を批判した。対機雷機能を持つ艦艇など3隻を10億豪ドルかけて同州で建造すると発表した。

苦戦が続く与党は景気拡大や、財政収支が12年ぶりに黒字に転じる実績を強調する。地方で配管や電気工事などの研修生を採用した中小企業に最大で給与の75%の補助金を出すなど、若年層の雇用促進に力を入れる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報