楽天、ぐるなび筆頭株主に 飲食店予約で相乗効果
楽天は13日、ぐるなびの筆頭株主になると発表した。現在、ぐるなびの株式を9.99%保有しているが、5月下旬までに15%前後に引き上げる。ぐるなびの店舗網や利用者データを生かし、ネット予約などのサービスを充実させる。ぐるなびは業績てこ入れへ楽天との関係を強化する。
楽天が5月末までに、ぐるなびの滝久雄会長が保有する株式の一部を取得する。滝会長はぐるなび株を17.74%保有している筆頭株主となっている。金額は非公表だが、20億円前後とみられる。楽天は2~3人の役員を派遣する。
楽天は18年7月にぐるなびと資本業務提携契約を結び、8月に株式を取得して第2位株主となっていた。ぐるなびのネット予約に楽天のポイントを付与するなど相乗効果も発揮できてきたことから関係を深める。
ぐるなびが13日発表した2019年3月期連結決算は売上高が前の期比10%減の327億円、最終損益が82%減の5億8100万円の黒字だった。飲食店の経営支援や販売促進支援の受注などが落ち込んだ。ネット予約拡大に伴うポイント費用増や広告宣伝費がかさみ20年3月期の最終損益は35億円の赤字に落ち込む見通しだ。
ぐるなびは楽天の会員の新規獲得ノウハウなどを吸収したい考え。久保征一郎社長は「提携を強化することで飲食店への送客力を向上させ、ネット予約数を伸ばすことが最優先だ。21年3月期の黒字転換を目指す」と述べた。