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プロ引退、振興に情熱再び 女子野球・川端友紀(上)

2019/5/18 6:30
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女子プロ野球リーグで3度の首位打者に輝き、日本代表の主軸としてもワールドカップ(W杯)6連覇に貢献した強打者が、指導者を目指して新たな一歩を踏み出した。昨年12月に埼玉アストライアから現役引退を表明した川端友紀は3月、栃木県小山市に拠点を置くエイジェック女子硬式野球部の選手兼任ヘッドコーチに就任。「裾野を広げ、女子野球をもっと発展させたい」と、次世代の選手たちとともに汗を流す。

女子野球発展のため、実力伯仲した実業団リーグの誕生を願う

女子野球発展のため、実力伯仲した実業団リーグの誕生を願う

女子プロ野球で歴代2位の通算430安打、通算打率3割7分3厘をマーク。昨年8月のW杯では4番として代表をけん引した。顕著な衰えはみられなかったが、2018年シーズン限りでの現役引退はリーグ開幕前から決めていた。

引退を考え始めたのは16年ごろからだ。慢性の腰痛、首の捻挫の後遺症もあり、疲れがたまると練習量を抑えることの繰り返し。体と向き合いながら試合に向けて調整してきたが「練習で手を抜かないのをモットーにやってきたのに、納得のいく練習ができなくなってきた」。情熱が急速に冷め、潮時と感じた。

1月にプロ野球ヤクルトで活躍する兄、慎吾が自主トレに励む松山市を訪ねたのが"前言撤回"のきっかけとなった。ともに元プロでルートインBCリーグ栃木の監督を務める寺内崇幸と、同ヘッドコーチ兼外野手の飯原誉士と居合わせた。毎年自主トレをともにした寺内らに引退を報告すると「栃木球団の親会社が興した女子の硬式野球チームがある。次の道が決まっていないなら一度見学してみたら」。野球を離れ、ゆっくり進路を探してみようという決意が揺らいだ。

充実した環境、新しい世界に飛び込む

昨年2月に創部されたばかりのチームの施設は思いの外、素晴らしかった。小学校の廃校を利用した練習拠点には、狭いながら黒土を敷き詰めたグラウンド、体育館を改造した室内練習場、トレーニング設備などが整っていた。専用グラウンドを持たずに転々としたプロ時代よりも充実した環境。女子野球振興にかける真剣さが伝わってきた。

「ここでなら女子野球を広める活動が私にもできるんじゃないか」。再び湧き上がった情熱を胸に、新しい世界に飛び込んだ。高校生もいる若いチームの主戦場は関東女子硬式野球リーグ「ヴィーナスリーグ」。社会人、大学、高校の約40チームが1~4部に分かれるリーグで、現在は3部に属する。チームを引っ張る川端は「社会人の都市対抗が男子のレベルを下支えしているように、いつかは実力伯仲の女子実業団リーグが誕生するような盛り上がりを」と大きな夢と野望を抱いている。=敬称略

(常広文太)

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