2019年6月27日(木)

マレーシア補選、与党連合が勝利 連敗に歯止め

東南アジア
2019/5/12 9:56
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【シンガポール=中野貴司】マレーシアのボルネオ島のサバ州サンダカン選挙区の下院補選が11日投開票され、与党連合の候補が勝利した。マハティール首相が率いる与党連合は直近の補選に3回連続で敗れていたが、退潮にひとまず歯止めがかかった。ただ、支持率が本格的に回復しているわけではなく、2年目の政権運営は課題を多く抱える。

マハティール首相が率いる与党連合は補選の連敗に歯止めをかけた

選挙委員会の発表によると、与党連合の一角の華人主体の政党、民主行動党のビビアン・ウォン・シアイー候補が、ナジブ前首相が支援した地場政党の候補らに3倍以上の得票差をつけて勝利した。

今回与党連合が大勝したのは、与党連合の現職議員だったウォン候補の父の死去に伴う補選だったという特殊事情が大きい。ウォン候補は父の支持基盤を受け継ぐことができたほか、父の死去への同情票も集まったとみられる。地元紙によると、サンダカン選挙区は与党連合支持者の多い華人系住民の割合が5割近くと、マレーシア全土の華人系の割合(2割強)よりも高い。

もっとも1月から4月にかけて補選で3連敗した時から、与党連合の状況が好転しているわけではない。とりわけ約7割を占めるマレー系からの支持率低下が深刻だ。世論調査機関ムルデカ・センターが4月下旬に発表した調査では、マレー系の58%が「この国は間違った方向に向かっている」と回答した。

東南アジア研究所(ISEAS)のリー・フォックアン上級研究員は「与党連合は民族や宗教に関する一貫した政策ビジョンを持っていないため、マレー系の反発にも後手後手の対応しかできていない」と指摘する。2年目に入ったマハティール政権に、今回の補選勝利の余韻に浸っている時間はない。

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