2019年9月22日(日)

日ロ隔たり埋まらず 平和条約交渉、ロシアなお強硬

2019/5/10 21:34 (2019/5/10 23:05更新)
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【モスクワ=桃井裕理】河野太郎外相とロシアのラブロフ外相は10日午前(日本時間10日夕)、モスクワで北方領土問題を含む平和条約締結交渉を巡って会談した。ラブロフ氏は「両国間には依然として大きな隔たりが残っている」と強硬姿勢を崩さなかった。6月に予定する日ロ首脳会談に向け打開策を探る狙いがあったが、交渉は長期化の様相をみせている。

河野外相とロシアのラブロフ外相(10日、モスクワ)=ロイター

河野外相とロシアのラブロフ外相(10日、モスクワ)=ロイター

両外相は外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を月末に東京で開くと確認した。ラブロフ氏は30日から訪日し、外相会談も予定している。北方領土の共同経済活動に関する作業部会を20日と21日にモスクワで開催することでも一致した。

今回の外相会談は予定の1時間を超え、約2時間に及んだ。その後、食事をとりながら1時間半にわたり議論を続けた。合計すれば4時間近い。それでも河野氏は共同記者発表で「立場の隔たりを克服できたわけではない」と述べた。「時には激しいやり取りになることもあった」と明かした。

ラブロフ氏は共同記者発表で「国連憲章でも検証された第2次世界大戦の結果を日本が確認する必要がある」と語った。戦争の正当な結果として北方領土がロシア領になったとする歴史認識の主張だった。

平和条約交渉の基礎である1956年の日ソ共同宣言についても「地政学的な状況が根本的に変わった」として、日米同盟の存在を指摘した。米国のミサイル防衛(MD)システムに触れ「ロシアに脅威をもたらしうる米国の危険な行動に日本側の注意を喚起した」と話した。島に米軍基地が建設される事態を念頭に置いているとみられる。

河野氏は「立場の隔たりを克服できたわけではないが、未解決の困難な問題を乗り越え、真のパートナーシップを築くことが双方の戦略的利益であることを認識している」と呼びかけた。

第2次世界大戦の結果を巡るラブロフ氏の見解に関しては「日ロ間では領土問題が解決されていないため平和条約が締結されていない」と改めて日本の立場を強調した。

両外相は平和条約交渉の責任者に就いてから1月にモスクワ、2月にドイツで会談し、今回は3回目となった。日本で開く順番だったがラブロフ氏の訪日に先立ち、河野氏がモスクワを訪れた。

安倍晋三首相は当初、6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせて訪日するプーチン大統領と会談し、平和条約締結に向け大筋合意するシナリオを描いていた。

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