2019年6月20日(木)

公明、都構想の住民投票容認へ 維新に歩み寄り図る

関西
2019/5/11 1:22
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大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」を巡り、公明党大阪府本部は10日、府知事・市長の任期中の住民投票実施を容認する方針を固めた。大阪維新の会が知事・市長のダブル選などで大勝したことを受け、歩み寄りを図る。ただ、維新側は住民投票への協力だけでなく都構想への賛成を明言するよう公明に迫っており、先行きには不透明な要素もある。

大阪選出の国会議員や府市議でつくる公明府本部は11日に定例会議を開き、都構想への対応などを協議する。この場で、2023年春までの府知事・市長の任期中の住民投票を容認すると決める見通し。一方、都構想への賛否については「議論が不十分」とのスタンスを維持するとみられる。

「賛否を含めて一から見直すことも検討する」。10連休が明けた今月7日、公明大阪市議団の土岐恭生幹事長が記者団に話した。翌8日には、府議団の八重樫善幸幹事長も「(ダブル選で)これだけの民意が示されているので、ゼロベースで見直すことも含めて議論が必要だ」と方針転換を示唆していた。

維新は4月のダブル選だけでなく、府議・市議選や衆院大阪12区補選でも他党を圧倒。次の衆院選では公明現職のいる関西6選挙区に"刺客"を送り込む考えをちらつかせていた。「維新の勢いはすごい。向こうの要求をのまざるを得ないかもしれない」。公明幹部の危機感は強かった。

府知事だった橋下徹氏(維新前代表)が2010年に打ち出した都構想案について、公明はこれまで大阪市の解体によって住民サービスが低下すると懸念してきた。

ただ、国政選挙もにらんだ妥協策として、15年の住民投票実施には協力。維新が松井一郎知事・吉村洋文市長のもとで臨んだ都構想への「再挑戦」についても、17年に水面下で「慎重かつ丁寧な議論」を前提に住民投票を容認する合意書を締結した。

その後、住民投票実施時期の確約を求める維新に対し「日程ありきの議論には応じられない」と突っぱね決別したが、4月のダブル選などで維新の強さを見せつけられた。公明内では「手のひらを返すように都構想に賛成するのは難しいが、住民投票実施は受け入れざるを得ない」との声が上がっていた。

一方、維新は強気だ。「ゼロベースで見直すなら、都構想に賛成してもらいたい」。8日の定例記者会見で、松井一郎代表は語気を強めた。「玉虫色ではなく、はっきりしてもらいたい」。背景には、かつて公明が住民投票の実施を約束しながら議論を引き延ばしたとの思いがある。公明が都構想への賛成を明言しない限り、維新側が矛を収めるかは不透明だ。

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