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ディー・エヌ・エー、自社株買い 発行数の26% 還元に転換

ディー・エヌ・エーの経営が転換点を迎えている。10日、発行済み株式数の4分の1に相当する最大500億円の自社株買いを発表した。これまで資金は主力のスマートフォン(スマホ)向けゲームや新規事業の開発にまわしてきたが、大規模な株主還元に投じる方針に転換する。「永久ベンチャー」を掲げる同社だが、曲がり角にあるといえそうだ。

買い付けるのは自己株式を除く発行済み株式数の26%。上限は500億円で、5月13日から20年4月30日までの間に市場で買い付ける。3月末時点で1000億円以上ある手元資金でまかなう。自社株買いは2013年6月の100億円以来だが、当時は株価も高く株式数に占める比率は3%だった。同社は「資本効率の向上と株主還元の強化につなげるため」としている。

背景には収益力の落ち込みがある。同日発表した19年3月期の連結営業利益(国際会計基準)は135億円と前の期と比べて半減、主力のゲーム事業が失速し、多角化を進めてきた他の事業も赤字が多い。

前期のゲーム事業は既存タイトルの減速に加えて新作のスマホゲームが振るわず、部門利益(売上高から原価と販売管理費を引いた値)は前の期比27%減の182億円。決算短信でゲーム事業としてたどれる15年3月期以降で初めて200億円を下回った。ゲームの利益は全体の利益(前期は109億円)を常に上回っており、他の赤字事業を穴埋めしている。

利益の落ち込みで営業キャッシュフロー(営業活動で生じる現金収支)は229億円の黒字と前の期比約150億円減少する一方、積極投資で投資キャッシュフロー(投資活動によって生じる現金収支)は210億円の支出超過で40億円強増加した。

11年3月期以降、ほぼ600億円台で推移してきた現預金は16年3月期以降増加が顕著になり、18年3月期に1000億円を超えていた。エース経済研究所の安田秀樹氏は「収益性が低下する一方で、活用できていない現金の有用性が問われていた」と指摘する。

20年3月期の業績見通しは開示していない。守安功社長は今後の資金の使い道について「成長投資を弱めるなどの方針転換は考えていない」とする。新規事業開発には外部からの調達も検討する。

スマホゲームでは中国のゲーム大手と協業タイトルなどを投入しているもののヒット作に恵まれない。自動運転時代をにらんだ交通事業など新規事業も黒字化までには時間がかかる見通し。足元の株価は1700円台と3年ぶりの安値圏で推移している。

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