2019年6月27日(木)

小田原城天守閣館長、諏訪間順さん 忍者の魅力発信
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南関東・静岡
2019/5/10 22:00
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神奈川県小田原市の小田原城にある展示施設「歴史見聞館」が4月、「NINJA館」として生まれ変わった。戦国大名、北条氏を影で支えたとされる風魔忍者を前面に打ち出した。「忍者は海外で人気が高い。インバウンド施策で最高のコンテンツになる」。小田原城天守閣館長、諏訪間順(59)の士気は高い。

小田原城天守閣館長 諏訪間順さん

小説や映画、ゲームでおなじみの忍者だが、戦国時代の文献はほとんど存在せず、詳しい実態は分かっていない。同館はこうした事実を踏まえつつ、自ら忍者になってからくり屋敷に侵入したり、手裏剣を敵に投げたりする体験型の展示を導入した。「外国人や子供に楽しんでもらえるように工夫した」という。

大型連休中は一日最大1600人が足を運び、一時入場を制限した。娯楽要素が強いものの、それだけにとどめるつもりはない。「忍者に関する学術的な研究成果も発信していきたい」。開館時には研究者らを招いた記念講演会を開いた。

小学生の時、造成中の自宅敷地から土器が見つかった。「当時の暮らしぶりを想像してロマンを感じた」と歴史の道へ。立正大史学科を卒業後、ふるさとである小田原の市役所に入り、小田原城の発掘調査や史跡整備に関わってきた。城郭に関する著書も多く、テレビの歴史番組にもたびたび出演している。

学者としては旧石器時代の研究で知られる。勤務の傍ら博士号を取得し、相模原市や大和市にまたがる相模野台地を中心とした遺跡調査や編年(石器の移り変わり)の研究で成果を挙げ、旧石器時代の優れた研究者に贈られる岩宿文化賞を受賞した。日本旧石器学会の副会長も務める。

一時30万人を割った小田原城の入場者は歴史ブームの影響もあり、18年度に約60万人にまで回復した。ただ、外国人は1割ほどにとどまる。「城主」として観光戦略を練る諏訪間は「風魔忍者と北条氏、小田原城をリンクさせながら、深みのある歴史観をアピールしていきたい」と考えている。=敬称略

(横浜支局長 石川淳一)

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