所有者不明土地、売却可能に 法案が衆院通過
所有者の分からない土地を一定の条件で売却できるようにする法案が10日の衆院本会議で全会一致で可決、参院に送付された。法務局の登記官などによる調査でも所有者が特定できなかった土地を、裁判所の選任した管理者が売却できるようにする。所有者の分からない土地を解消し、企業や自治体が活用できるようにする。
対象は不動産登記簿に所有者の氏名や住所が正しく記載されていない土地だ。登記官に1970年ごろまで使われていた旧土地台帳を調査する権限などを与え、所有者が分かれば登記官が登記を変更できる。調べても分からなければ土地を利用したい自治体や企業の申し立てで裁判所が管理者を選び、売却できるようにする。
法務省は同法案に加え、所有者不明の土地が今後も増えることを防ぐため、相続登記の義務化や所有権放棄の制度化を提言した報告書をまとめた。法制審議会(法相の諮問機関)で検討を進め、2020年中の関連法改正案の提出を目指す。