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期限の「午後1時」で崩れた市場 株5日続落

2019/5/10 8:45 (2019/5/10 14:47更新)
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10日の東京市場で、日経平均株価は米国の対中関税の引き上げに揺れた。米中の貿易交渉が大詰めを迎えるなか、米国は日本時間のきょう午後1時1分に対中制裁関税を発動。短期売買のヘッジファンドなどは刻限の直前まで事態打開の可能性をにらんで先物経由で買い戻していたが、徐々に失望売りが広がった。

日経平均株価は5日続落し、終値は前日比57円21銭(0.27%)安の2万1344円92銭だった。連休明けの4日間の下げ幅は合計で913円に達した。

米中のつばぜり合いが続くさなかの取引となった10日、東京市場では取引時間を通じて「アジアの取引時間帯に米中貿易交渉が急転するかもしれない」(野村証券の柏原悟志氏)との緊張感が漂った。午前中は短期筋による先物の買い戻しで180円超上昇したが、関税発動が近づくと一転して先物主導で下げに転じた。午後1時をすぎてから、日経平均株価は一時230円近く下げた。

57円下げ、2万1300円台で終えた日経平均株価(10日午後、東京都中央区)

57円下げ、2万1300円台で終えた日経平均株価(10日午後、東京都中央区)

市場参加者が読みあぐねたのは、(1)関税が実際に「午後1時」に発動されるか、(2)米国時間10日まで予定される米中閣僚級協議の動向がどうなるか、(3)米中の貿易摩擦が実体経済を再び下押しするシナリオを織り込むべきか――の3つだ。

米中両国はこれまで瀬戸際の交渉を続けてきた。トランプ米大統領は中国が「約束を破った」と強硬姿勢を示した後に、9日(日本時間10日朝)には習近平(シー・ジンピン)国家主席から「非常に美しい手紙」を受け取ったと発言。両国首脳が電話で協議する可能性も浮上した。市場では関税発動直前まで「関税据え置きで交渉継続というシナリオと、25%への関税引き上げのシナリオは五分五分」(アセットマネジメントOneの鴨下健ファンドマネジャー)との声があった。

選挙を意識する米国と国内景気を気にする中国の双方にとって関税引き上げは回避したい一方、米国にとっては関税引き上げによる国内総生産(GDP)への直接的な影響は0.1~0.2%のマイナスとさほど大きくない。トランプ氏がどのように「ディール」を獲得するか、先行きを見通すのは難しい。

関税発動で「追加関税の事前撤回」の可能性は消えた。中国側も対抗措置を表明した。それでも「協議は継続される可能性が高い」(岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジスト)との期待は残る。今後のシナリオを占ううえでの焦点は米国時間10日の2日目の閣僚級協議にシフトしつつある。

ピクテ投信投資顧問の松元浩常務執行役員は「注目点は両者が物別れに終わらず、次の枠組みに向けて交渉を維持できるかだ。摩擦の激化を止めるためのステップを示せれば、マーケットは比較的早い段階で落ち着く」とみる。

だが、交渉決裂のリスクもなお残る。岡三アセットマネジメントの前野氏は「可能性は5%程度だが、仮に中国側が米国の提案を全面的に拒絶して交渉が決裂すれば、2万円を割る展開になる」と警戒する。ピクテの松元氏も「けんか別れに終われば2万円割れもあり得るため、下げに備えてアクションをとらなければならない」という。

米中間で報復合戦が再びエスカレートし、いったん25%に引き上げられた関税が恒常化すると世界経済全体を揺るがすリスクもある。みずほ総合研究所の有田賢太郎・上席主任エコノミストは、「追加関税は中国だけでなくアジア全体の景気を下押しする可能性もある」と指摘。日本から中国への輸出が減少し、日本企業が設備投資を抑制する可能性もあるとみる。

外国為替市場でも「米中摩擦が強まればさらに円高に振れる」(三菱UFJ銀行の内田稔チーフアナリスト)との声があがる。10日の関税発動については「市場はすでに織り込んでおり、パニックになることはない」(クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司氏)。ただ、その先のシナリオまでをも織り込めたわけではない。

海外市場を見渡すと、10日は中国・上海株式相場が大幅に反発したほか、米国でも米国株の株価指数先物が小幅な動きにとどまる。ただ、「米国が示唆するさらなる追加関税は『ブラックスワン』」(三菱UFJ国際投信の野崎始エグゼクティブ・ファンドマネジャー)との声もある。ブラックスワン(黒い白鳥)とは、確率は低いが実際に起きると壊滅的な影響をもたらすイベント。米中をにらんだ市場の神経戦はまだ続いているといえる。(富田美緒、長谷川雄大、坂口幸裕)

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