アンワル元副首相への禅譲「約束守る」 マハティール首相

2019/5/9 22:03
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【クアラルンプール=中野貴司】マレーシアのマハティール首相は9日、1年前の首相就任時から公言しているアンワル元副首相への禅譲について「私は約束は守る」と明言した。ただ、「私は少なくともあと1年、首相を続けることができると思う」と述べ、就任から2年以内をメドと説明していた交代時期がずれ込む可能性を示唆した。

9日、記者会見で質問に答えるマレーシアのマハティール首相(プトラジャヤ=AP)

マハティール氏は歴史的な政権交代から10日で1年を迎えるのを機に、外国メディアの取材に応じ、明らかにした。93歳のマハティール氏は「私は(与党連合が選んだ)暫定的な首相であり、(次の選挙までの5年間の)全ての任期を務めるつもりはない」と強調した。アンワル氏の名前を自ら口にしなかったものの「与党連合内で既に後継者は指名してある」と禅譲シナリオは変わっていないと説明した。

「次の1年間で前政権の過ちの大半は解決する」とも述べ、禅譲前にナジブ前政権の負の遺産を一掃する決意を示した。

政府系ファンド「1MDB」の汚職問題については、計65億ドル(約7150億円)の債券を引き受け、巨額の手数料を得た米投資銀行ゴールドマン・サックスに対し、「法的な措置を取る」と話した。マレーシア政府は既にゴールドマン子会社を起訴して刑事責任を追及する措置を取っており、損害賠償を請求する考えを示したものとみられる。

マハティール氏は「ゴールドマンは間違ったことをしていると、よく認識していたはずだ」と、不正流用の原資となった債券を引き受けた投資銀行にも責任があると指摘した。リム・グアンエン財務相も過去にゴールドマンに75億ドルの賠償を求める考えを表明したことがある。ゴールドマンは1MDB問題への組織的な関与を否定している。 マハティール氏はこれまでの1年について「前政権の過ちをただすのに多くの時間が割かれた」と釈明し、実現していない多くの政権公約の達成に全力をあげる考えを示した。

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