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小野薬、株価一時10%下落 オプジーボ懸念で

小野薬品工業が9日発表した2019年3月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前の期比2%増の515億円だった。がん免疫薬「オプジーボ」の治療対象が拡大し、薬価引き下げの影響を吸収した。ただ同薬を巡る複数の懸念材料が浮上し、株価は一時前日比10%安まで下落した。

売上高にあたる売上収益は10%増の2886億円だった。オプジーボは腎細胞がんなど治療対象が広がり、販売数量が増加した。営業利益は2%増の620億円だった。

取引時間中の決算発表を受けて、小野薬株には売り注文が殺到した。オプジーボを巡る懸念が相次いだためだ。1つは会社が公表した20年3月期の販売額の減少見通しだ。20年3月期の販売額は前期比6%減の850億円と予想する。販売数量は増えるものの、薬価引き下げなどの影響を受ける。

もう1つは、9日に厚生労働省が同薬を投与した患者11人に副作用とみられる脳の機能障害が起きたと発表したこと。報道が伝わると株価の下落幅が拡大した。

ノーベル賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授との溝も深い。19年3月期には「オプジーボに関わる第三者への支払い」を想定した引当金を172億円計上。前の期から55億円積み増した。本庶氏がオプジーボ関連の特許契約見直しを求めていることについて小野薬の相良暁社長は「月内にコメントを出す」と述べるにとどめた。

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