アフリカ向け人材育成、第三国でも 経産相表明
世耕弘成経済産業相は9日、今夏に横浜市で開く第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に関して講演し、アフリカで日本製品のメンテナンスなどに携わる人材をインドなど第三国で研修できる仕組みをつくると表明した。インフラ輸出では不慮の事故による損失をすべてカバーする貿易保険の仕組みを設ける方針も発表。日本企業の積極的な進出を促した。
経産省はこれまで一般財団法人、海外産業人材育成協会の事業費用を補助し、日本企業がアジアに工場を新設する際などに、現地の技術者を日本の拠点で研修するのを支援してきた。
アフリカ向けでは、補助する事業の対象を製造現場に加え保守などのサービスに拡大。第三国ででの研修も促進する。営業や保守のノウハウでは日本に招くより、日本勢がインドや中東に持つ拠点で研修した方がアフリカ市場に近く、効率的とみる企業も増えている。
世耕氏は日本貿易保険(NEXI)がアフリカ貿易保険機構(ATI、本部ケニア)、イスラム開発銀行(本部サウジアラビア)と提携し、全額保証の仕組みをつくることも明らかにした。大型の建設機械など日本製品の輸出のほか、現地でのインフラ開発に伴う融資が保険の対象となり、3機関あわせて100%を保証できるようにする。TICADにあわせて3機関が覚書を結ぶ。
アフリカの革新的なスタートアップと日本企業の連携を後押しする取り組みも本格化する。世耕氏は講演で「日本企業はアフリカのビジネス機会をまだまだつかみ切れていない。新しい海外展開モデルをつくり出すことが不可欠だ」と指摘し、企業側の意識変革も求めた。