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いでよ、水陸のタイガー 五輪はスターがいてこそ

タイガー・ウッズ(43、米国)が4月、男子ゴルフのマスターズ・トーナメント(米南部ジョージア州オーガスタ)を制した姿をテレビ観戦していて、様々な思いがよぎった。

11年ぶりのメジャー優勝までには私生活のトラブルがあり、歩行も困難なほどの痛みが何年も続いた。11年という年月は野球、水泳だったら、復帰はほぼ不可能だけれど、ゴルフくらい選手寿命の長い競技ではこんな復活劇も起こりうる。そして、コースのそこかしこで性別、年齢に関係なく、ほぼ皆が「タイガー」と絶叫する人々の姿に胸が熱くなった。そして、ウッズの東京五輪出場もありうると耳にして、はたと気づいた。

今、ウッズのように誰もが見たいと思う五輪アスリートがいるだろうか?=ロイター

今、ウッズのように、誰もが見たいと思う五輪アスリートがいるだろうか? 

日本人アスリートの国内認知度は上がってきた。メダルをとれば盛り上がるだろう。しかし、海外のスター、日本人でなくても「応援したい」って思う選手がいてこそ五輪だ。テニス、バスケットボールといった他にも輝く場所のあるプロ競技より、五輪スポーツ。やっぱり陸上か水泳で「超」がつくスターがいてこそだと思うのだ。

僕の記憶では、1990年代は陸上のカール・ルイスがまだ頑張っていて、マイケル・ジョンソン(ともに米国)がいた。2000年シドニー大会には競泳のイアン・ソープ(オーストラリア)、その直後にマイケル・フェルプス(米国)が台頭。08年北京大会は世界最速男のウサイン・ボルト(ジャマイカ)が出てきた。

北島康介氏

フェルプス、ボルトも16年リオデジャネイロ五輪は全盛期と比べて衰えは明らか、金メダルは厳しそうだった。でも開幕前から話題の中心。2人は個人種目でそれぞれ2個金メダルを獲得した。そんな勝負強さこそ、スーパースターたる由縁だ。

フェルプスは4大会、ボルトは3大会で五輪の「顔」となったが、ともにリオが最後になった。2人を継ぐのはなかなか荷が重い。競泳は女子自由形のケイティ・レデッキー、男子自由形、バタフライのケーレブ・ドレッセル(共に米国)になりそうだが、まだピンとこない人も多いのでは? 陸上100メートルとなると、僕と同じ82年生まれのジャスティン・ガトリン(米国)の名前がまだ出る状態だ。

だからこそ「タイガー、東京に来て!」と思ってしまうのだが、こういう状況はスター予備軍が胎動している可能性も高い。ボルトも07年世界陸上大阪大会で銀メダルをとった時点では一般にはまだ無名だった。今夏の国際大会は次世代スターを探しながら観戦したいと思う。

(北島康介)

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