現在と将来の世界経済を理解するためには、ここにどうやって至ったのかを知る必要がある。「ここ」とは、名目と実質金利が超低水準で、ポピュリズム(大衆迎合主義)が幅を利かせ、グローバル市場経済が敵視される今日の状況を指す。最も妥当な説明は、実質需要とグローバルな信用創造の拡大・縮小との相互作用が今日の事態を招いた、というものだろう。そして極めて重要なのは、このプロセスがまだ続いているということだ。
驚…
この記事は会員限定です。電子版に登録すると続きをお読みいただけます。
チーフ・エコノミクス・コメンテーター
Martin Wolf 英国生まれ。経済政策の間違いが第2次世界大戦を招いたとの問題意識から経済に関心を持つ。世界銀行のエコノミストなどを経て87年にFT入社。一貫して経済問題を執筆。現在最も影響力のあるジャーナリストとされ、その論評、発言は各国の財務相や中央銀行総裁も注目するという。