ゴーン元会長の妻インタビュー「事件と無関係」

2019/5/8 22:43
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日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(65)の特別背任事件で、元会長の妻、キャロルさんが8日、日本経済新聞の電話インタビューに応じ、「私は事件とは一切無関係」と主張して自身の関与を否定した。元会長に妻との接触を禁止した保釈条件について「まるで重い懲罰だ。人権に反する」と批判し、撤回を求めた。

テレビ会議システムで取材に応じるゴーン元会長の妻、キャロルさん

テレビ会議システムで取材に応じるゴーン元会長の妻、キャロルさん

キャロルさんは現在滞在している米ニューヨークからテレビ会議システムで約30分間の取材に応じた。ゴーン元会長が2018年11月に逮捕されて以降、キャロルさんが日本の報道機関のインタビューを受けるのは初めて。

キャロルさんが代表を務める英領バージン諸島のペーパーカンパニー「ビューティー・ヨット」には、オマーンルートで不正支出された日産資金の一部が流れ、クルーザーの購入などに充てられた疑いが持たれている。キャロルさんは「船の管理や装飾には関わったが、会社は所有していない。私は無関係だ」として不正への関与を否定した。

16年10月、ベルサイユ宮殿で挙げた結婚披露宴に仏ルノー資金5万ユーロ(約625万円)が支出された疑惑については「私の誕生日祝いの趣旨だったが、最初から自分たちで全額を負担した。ルノーに損害を与えたことはない」と訴えた。

ゴーン元会長の逮捕後、事件関係者と接触したことがあるかどうか尋ねると「4月の再逮捕後にフランスに出国したが、その間に(事件に関わったとされる)中東関係者と接触したことはない」と答えた。

東京地裁は4月25日にゴーン元会長の再保釈を認めた際、証拠隠滅や口裏合わせなどを防ぐため、キャロルさんとの接触禁止を保釈条件に盛り込んだ。事前に裁判所の許可を得なければ、弁護士以外の第三者を通じて面会、電話、連絡などはできない。

キャロルさんは「どれぐらい長期間、夫に会えないのかも分からない。夫と会うこともメールすることも禁止するのは基本的人権に反する。まるで大きな懲罰を受けているようだ」と話した。

保釈され東京拘置所を出る日産自動車のゴーン元会長(東京都葛飾区)

保釈され東京拘置所を出る日産自動車のゴーン元会長(東京都葛飾区)

関係者によると、ゴーン元会長が3月6日にいったん保釈された後、4月4日に改めて逮捕されるまで、キャロルさんは東京都内の指定された住居で元会長と共に生活していた。

4月の再逮捕の際、東京地検特捜部は住居を家宅捜索し、キャロルさんのレバノン発行のパスポートや携帯電話なども押収。キャロルさんは米国のパスポートを使ってフランスに出国し、仏メディアなどのインタビューに応じてゴーン元会長の早期釈放などを訴えた。

特捜部は事件への関与を確認するためにキャロルさんの証人尋問を裁判所に請求。キャロルさんは日本に戻り、4月11日、東京地裁に出頭して法廷で証言した。不正への関与は否定したとみられる。

検察側はゴーン元会長の再保釈に絡み、キャロルさんが元会長側の意向を受けて事件関係者と接触した疑いがあるなどと主張。東京地裁は4月25日に元会長の再保釈を認める決定をした際、保釈条件にキャロルさんとの接触禁止を加えた。

ゴーン元会長はオマーンルートの特別背任事件で4月22日に追起訴された。同月25日に再保釈され、東京都内の指定された住居で暮らしている。

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