2019年6月20日(木)

革カバン、自社ブランドで展開 香川のアーバン工芸

サービス・食品
中国・四国
2019/5/9 7:00
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革カバンメーカーのアーバン工芸(香川県東かがわ市)は初めて自社ブランドによる事業に乗り出す。「TIDE(タイド)」の新ブランド名で革手袋製造で培った技術を生かしたカバンなどを従来のOEM(相手先ブランドによる生産)製品とは一線を画した高価格帯で展開。5年後に年間5000万円、その後、売上高の3割を占める事業に育てたい考えだ。

新ブランドのTIDEは、複数の革を縫い合わせるパッチワークが特徴

「TIDE」は潮の流れを意味する。自社商品を展開することで、OEMをなりわいとしてきた会社の潮目、流れを変えるという思いを込めた。プロジェクトを主導してきた内海公翔氏は「自社ブランド展開が夢だった」と熱を込める。

自社ブランドに挑んだのは、実は3度目。これまでは商品化までこぎ着けることができなかった。兵庫のデザイン会社と組んでブランドのコンセプト作りから始めた。外部と連携することで、企画から製造、販売までの道筋を描くことができたという。

3年ほど前から、OEMだけでは社員を満足させるだけの経営が難しいと感じるようになったという。OEM製品の価格帯は1万5000~3万円が中心で、技術を前面に押し出した付加価値を提供できていなかった。自社ブランドは高価格帯に設定することで、社員の生活を守る。

TIDEの特徴は、職人の技が織り成すパッチワークだ。牛革を複数組み合わせ、瀬戸内の潮の流れや大地の等高線を立体的に表現。手袋製造で培った、縫い目を外に見せない「内縫い」と呼ばれる手法を盛り込んだ。どことなく漂う和の雰囲気に、展示会でも和装小物販売店から引き合いがあったという。

ラインアップはトートバッグや財布など5種類で男女兼用、価格は2万~8万8000円(税抜き)。一般販売は6月を予定しており、百貨店やセレクトショップでの展開を検討する。

ネットでの販売は秋を予定している。黒やアイボリーなど計5色を展開し、将来的にはリュックやボストンバッグなどの商品も追加する。海外展開も視野に入れており、英語によるホームページも開設。2020年3月に開かれるパリの展示会にも出展予定だという。

もてる技術を駆使した製品をみて、OEMの取引先から「こんなこともできるのか」と驚く声が聞かれるという。自社ブランド開発を通じた、OEMとの相乗効果も期待が高まる。

アーバン工芸の19年2月期の売上高は3億7000万円。24年には3億8000万円を見込んでおり、OEMの減少を補う想定だ。

製造を担当する弟と二人三脚で、夢を形に変えた。会社の道筋に対する覚悟を決めた姿勢が、ブランド名から強くにじむ。(桜木浩己)

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