2019年5月23日(木)

オオサンショウウオを守れ 豪雨で流出、プールで保護

社会
2019/5/8 13:09
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広島県東広島市で国の特別天然記念物オオサンショウウオの保護活動が進められている。市内を流れる椋梨川流域に55匹が確認されていたが、昨年7月の西日本豪雨で多くが流された。広島大や地元住民、市が協力して調査中だ。今秋から弱った個体をプールで育て、生息に適した上流域に戻す取り組みも始める。

椋梨川に生息するオオサンショウウオの体長を調べる広島大の学生ら(4月、広島県東広島市)=共同

4月中旬、同市豊栄町地区の椋梨川に広島大の学生や地元住民ら約20人が集まった。川底に積もった枯れ葉を網ですくい、5センチほどのオオサンショウウオの幼生を探す。昨年秋にふ化した幼生が巣穴を出た後、どのように分散していくのか調べるためだ。

巣穴作りに必要な自然の川岸が残り、湧水豊かな椋梨川の上流はオオサンショウウオの繁殖に適しているとされる。この日は比較的体格の良い成体も6匹見つかった。

もともと生息数の減少が懸念され、2011年から流域でオオサンショウウオの調査が始まった。18年までに体内に埋め込んだマイクロチップで55匹の成体を識別していたが、豪雨で河床ごと流出し、大半が一時行方不明になった。

流されると高いせきなどに阻まれ、自力で上流に戻れず、孤立し衰弱する恐れがある。調査を率いる広島大総合博物館の清水則雄准教授は「下流では痩せた個体が多く見つかる」と指摘する。

国の許可を得て豊栄町周辺の約10キロの範囲を捜索したが、未調査の地域から流されてきたとみられる新個体6匹を含め、今年1月までに確認できた成体は34匹にとどまる。このうち18匹を上流域に放した。

痩せた個体や幼生の一時保護施設として、廃校のプールを活用する。幼生を育てて放流する取り組みは全国的にも珍しい。オオサンショウウオの生態を解説するパネルなども設置し、市は地元の小学生らの環境教育にも活用したい考えだ。清水さんは「(オオサンショウウオの現状を)多くの人に知ってもらうことが、活動の広がりにつながる」と話している。

〔共同〕

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