2019年7月24日(水)

内部処分も終結見通せず 広島、署内多額窃盗2年

2019/5/8 9:26
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広島県警広島中央署で特殊詐欺事件の証拠品の現金8572万円が盗まれた前代未聞の事件は、8日で発覚から2年を迎えた。県警は不適切な管理の責任を問い、4月に当時の同署幹部ら7人を処分。事件後に死亡した当時30代の男性警部補が関与した疑いがあるとみて、窃盗容疑などで書類送検を検討しているが、容疑者としての特定には至っておらず、捜査の終結は見通せない状況だ。

広島中央署(7日)=共同

現金は2017年2月に押収され、17年5月8日夜に盗難が発覚。県警は当初から内部犯行の可能性が高いとみて、時期や容疑者の特定を進めていた。だが捜査の過程で、当時の保管責任者が発覚前の17年3月下旬の定期異動に伴う引き継ぎ時に、金額を十分に確認していなかったことが判明。盗まれた期間を絞り込めなくなり、捜査対象者が当初の見込みより大幅に増えた。

捜査関係者によると、警部補は17年3月まで同署生活安全課に所属し、多額の現金の保管を知る立場だった。事件発覚前後にギャンブルで同僚らから借りていた数千万円を返済しており、金の出どころも不明だ。

盗まれた現金は現在も見つかっていないが、県警は警部補の関与を裏付ける確証までは得られていないとみられる。また捜査費の出し入れで、捜査員や会計課員が金庫を開ける機会が頻繁にあったことも、犯行時期の特定を難しくしている。県警は発覚直後から管理体制や内部規定の見直し、強化などの対応に追われる一方、捜査に目立った進展がないまま時間が過ぎた。

今年4月には県警トップの石田勝彦本部長が記者会見で謝罪し、不適切な保管をしていたとして関係者の処分を発表した。だが、最も重い処分は戒告で停職や減給処分はなく、県民からは「身内に甘い」との声も上がる。県警は職員らで現金を出し合って全額を穴埋めし、詐欺被害の救済に充てることを決めている。

ある県警幹部は「警察署内で起きた事件でありながらここまで長引いており、県民の不満や批判も仕方ない。できるだけ早期に解決したい」と焦りを口にした。〔共同〕

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