2019年5月26日(日)

福島県、大型店「準工業地域」へ出店可能に

小売り・外食
北海道・東北
2019/5/7 20:05
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福島県は大型商業施設の出店が可能な地域を拡大する。現在認めている都市計画上の商業関係の地域に加え、「準工業地域」へも出店できるよう条例の運用を見直す。中心市街地の空洞化に歯止めをかける狙いで厳しい規制をかけてきたが、大型店が多く立地する周辺各県へ消費者の流出が続いている。規制を見直し経済の活性化を目指す。

条例の施行前、準工業地域にある工場跡地に出店したショッピングセンター(福島県郡山市)

出店が可能な地域は県の商業まちづくり条例(2006年施行)に基づく「基本方針」で定めている。現在、店舗面積6千平方メートル以上の商業施設は駅前や商店街などを中心に設定される「商業地域」と「近隣商業地域」にしか出店できない。

大規模な駐車場が必要なショッピングセンターはこれらの地域には事実上出店が難しい。その結果、福島県内には売り場面積が数万平方メートル級の大型店の新規出店がほとんどなく、宮城県や北関東へ買い物客の流出が目立っている。

今回、出店を可能とす準工業地域は工場や物流施設、住宅など幅広い利用が認められ、都市の外縁部や幹線道路沿いなどに多く設定されている。福島県内で市場規模が最も大きい郡山市の場合、南拠点と呼ばれる国際展示場のビックパレット周辺や市内各所の大規模な工場跡地などが準工業地域に指定されている。

基本方針の見直し後は市町村が認めればこれらの地域への出店が可能になる。また県は届け出が必要な商業施設の最低基準を店舗面積6千平方メートルから8千平方メートルへと引き上げ、中規模店についても手続きを緩和し立地を促す。審議会の検討が一巡したことから市民の意見聴取手続きを経て、今秋にも規制を緩和したい考えだ。

一方、イオンが店舗面積10万平方メートル級のショッピングモールの出店を表明している県北部の伊達市堂ノ内地区は、開発が原則認められない市街化調整区域にある。県は今回の見直しでも市街化調整区域への出店は「厳に抑制する」という従来の方針を維持する。

商業まちづくり条例はトップダウンで大胆な政策を進めた佐藤栄佐久知事(1988~2006年在任)の時代につくられた。中心市街地の空洞化に歯止めをかけるという条例の本来の狙いは十分な効果を上げなかったとの指摘が多い。また、条例施行前にできた大型店は老朽化しているが、規制によって改築が制約されるという問題も出ている。

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