アルヒ、「フラット35」の審査厳格に 不正利用疑いで
住宅ローン融資を手がけるアルヒは7日、固定金利の住宅ローン「フラット35」をめぐる審査を厳格化したと発表した。2019年春から、新規に案件を仲介する不動産会社に対して業者と直接面談して顧客を管理する体制などを確認するようにしたほか、同年初頭からフラット35を手掛ける住宅金融支援機構と組んで融資の調査に乗り出した。
フラット35をめぐっては、顧客が自ら住むための資金を得る住宅ローンとして融資を受けながら、不動産投資用物件の取得資金に転用した事例があったという疑いが出ている。アルヒは、住宅金融支援機構と民間企業が提携して提供するフラット35を通じた住宅ローン融資では最大手。不正な融資申請がないかを改めて調べるほか、さらに対策をする必要があると判断した。
新規に取引をする不動産会社との面談では、企業の運営実態を営業部門が直接確認。投資用不動産と住宅ローンの顧客を分けられる体制が整っているかどうかを調べる。情報共有なども強化しているという。
融資の調査では、アルヒが住宅金融支援機構と連携して不正な融資の申請を見逃した事例がないかどうかを調べる。同社では19年初めから調査に着手。現時点では同社が主体となって関与する案件で不正は見つかっていないという。
投資用不動産への融資をめぐっては、18年からスルガ銀行で、審査書類の改ざんなど不正の横行が表面化。不動産会社が顧客を誘導する形で不正に関与、主導した事例が多いとされる。金融機関側でも、顧客の不正を防ぐ対策の強化が不可欠な状態になっている。