2019年5月23日(木)

ブルネイ、同性愛・不倫に死刑執行せず 批判受け

東南アジア
2019/5/6 19:33
保存
共有
印刷
その他

【シンガポール=中野貴司】ブルネイのボルキア国王は6日までに、同性愛行為や不倫への投石による死刑執行を猶予する方針を表明した。ブルネイは4月に同性愛行為などに死刑を科す新たな刑法を施行し、国際社会から強い批判を浴びており、事実上の方針転換を余儀なくされた。

ボルキア国王は国際的な批判を受け、死刑執行の猶予表明を余儀なくされた=ロイター

ボルキア国王は国際的な批判を受け、死刑執行の猶予表明を余儀なくされた=ロイター

ボルキア国王は5日に発表した声明で、「ブルネイは過去20年以上、死刑の執行を事実上停止している」と説明した。その上で、死刑の執行猶予は「(同性愛行為などへの死刑執行を盛り込んだ)厳格なイスラム法に基づく新刑法にも適用される」と明言した。

ボルキア国王は「新刑法導入に対する多くの疑問や誤解があることは認識している」と述べ、国際的な批判が死刑の猶予を表明した理由だと認めた。一方で「誤解が解ければ、新刑法の利点は明白になるだろう」として、イスラム法に沿った新刑法の正当性を強調した。

新刑法の施行を巡っては「投石による死刑執行といった残虐な刑罰を直ちに停止すべきだ」(国際人権団体のアムネスティ・インターナショナル)といった批判が海外から相次いでいた。こうした批判は施行から1カ月がたってもやまず、ブルネイは国王による異例の声明発表に追い込まれた。ただ、新刑法自体を撤回したわけではなく、欧米を中心にブルネイへの批判が続く可能性はある。

東南アジアの資源国であるブルネイはイスラム教を国教とし、40万人強の国民の約8割をイスラム教徒が占める。ボルキア国王が首相のほか、外相などの主要閣僚ポストを兼務しており、近年は厳格なイスラム法への傾斜が目立っていた。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報