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朝のコース点検、労多し 競技委員も好プレー演出
公益財団法人日本ゴルフ協会専務理事 山中博史

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2019/6/2 6:30
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本格的なゴルフシーズンも始まり、プロのトーナメントも毎週行われるようになりました。今回は少しマニアックな内容になりますが、トーナメントの朝に競技委員会が行うコースチェックのお話をしたいと思います。

競技委員の人たちは通常第1組のスタート約2時間前にはゴルフ場に入ります。ゴルフ場に着くとコースチェック担当の委員はさっそく、アウトとインに分かれてカートに乗ってコースに出て行きます。プロトーナメントにおいては、ティーマーカーのセット、ホールカップ切りは当日の朝の仕事です。ティーマーカーのセットは競技委員が行い、カップ切りはコース管理のベテランが行います。

では、皆さんも競技委員になったつもりで読んでみてください。

ティーイングエリアではまずティーマーカーをどの位置にセットするかを決める=共同

ティーイングエリアではまずティーマーカーをどの位置にセットするかを決める=共同

まずティーイングエリア(TA)です。TAに入りその日の風向き、特にパー3のホールではその日のホールロケーション(HL)を見て、ティーマーカーをどの位置にセットするかを決めます。例えばアゲンストの風が強いときや雨でランが出ないときなどは、使用するTAの前方、もしくは1つ、2つ前のTAにセットする場合もあります。このような可能性がある場合は事前に選手に告知し、練習ラウンドで練習できるようにする場合がほとんどです。

次に行うのは、なるべく平らな場所、芝の状態がいい場所を選ぶことです。特に終盤のホールはテレビ中継でアップになることも多く、状態が悪い場所やディボット跡だらけの場所が映ってしまうとイメージが悪くなってしまいます。そして最も神経を使うのがティーマーカーの左右の向きです。特にドッグレッグのホールは気を使います。興味深いのはドロー打ちの人がセットすると右に向け、フェード打ちがセットすると左に向くことが多いことです。

選手から「ティーマークないけど…」

左右のティーマーカーの間隔は、TAの大きさにもよりますがだいたい7~8ヤードです。個人的には、円球のティーマーカーのほうが角のあるティーマーカーより方向性が出しやすいですね。パー3のホールでは、その日のティーマーカーの位置からピンまで正確なヤーデージを測り、中継テレビ局や大会本部にその情報を提供することも仕事の一つです。

TAの周りにはごみ箱やドリンクを入れるケース(我々は「どぶづけ」と呼んでいます)があり、どうしてもゴミやペットボトルが散乱していることも多くなります。その場合には本部に連絡をして、選手が来る前に片付けをお願いすることもあります。

余談ですが、ティーマーカーのセットは若いホールから順番にやっていかないとダメですね。変にショートカットするとうっかり忘れてしまい、選手がTAに来たらティーマーカーがセットされていないなんて笑えない話になりかねません。実際何回かあった話で、トランシーバーで「競技委員さん、2番ホールのTAで選手が競技委員を要請しています」と言われ、行ってみると選手が笑いながら「ティーマークがないんだけど俺たちはどこからプレーしたらいいの?」なんてことがありました。

救済を受けられず、やっかいな朝露

次はフェアウエー(FW)です。FWでのチェックポイントは、まず朝露が降りていないかを見ます。もし降りているようなら、運営チームやグリーンキーパーにお願いして、選手が来る前にロープやホースを使って露払いを依頼します。規則上、露はルースインペディメントでも一時的な水(昨年までのカジュアルウオーター)でもありませんので、取り除くことも救済を受けることもできません。

朝露は選手にとってはけっこうやっかいで、クラブフェースと球の間に水が入るのでフライヤーになったり、逆に飛ばなかったりで、フェアではありません。ただし、FW全域を作業するのは大変ですし、時間もありませんので、通常はTAから220~320ヤードのランディングエリアを中心に、アウト・イン最初の4~5ホール(パー3を除く)だけ行います。

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