2019年8月20日(火)

三菱商事、なぜ千代田化工を支援? 3つのポイント

3ポイントまとめ
2019/5/7 4:30
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三菱商事はプラント会社大手、千代田化工建設の経営再建を支援する方針を固めました(「三菱商事、千代田化工に1500億円支援 三菱UFJと」参照)。三菱UFJ銀行と共同で1500億円超を投融資する見通しです。千代田化工への経営支援は今回で実に3度目です。なぜ、千代田化工は経営危機を繰り返し、三菱商事はそれでも支援するのでしょうか。ポイントを整理します。

米国ではシェールガス由来のLNGプラント開発計画が目白押しだ(千代田化工が損失を計上した米ルイジアナ州のプロジェクト)

米国ではシェールガス由来のLNGプラント開発計画が目白押しだ(千代田化工が損失を計上した米ルイジアナ州のプロジェクト)

(1)プラント会社で損失相次ぐ

日揮や千代田化工、東洋エンジニアリングといったプラント建設大手は2016年度以降、米国でのプロジェクトで相次いで損失を計上しました。同国の人手不足で熟練工の確保に苦慮して工期が遅れ、追加費用の計上を余儀なくされたためです。プラントの設計から資機材調達、建設までを一括で担い、徹底的なコスト管理を行い予算内に収めることで実績を積んできた日本勢のビジネスモデルが揺らいできています。

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(2)LNGの需要が世界で拡大

2019年は日本が液化天然ガス(LNG)の輸入を開始してから半世紀となる節目の年です。今や中国や東南アジアの新興国が同じ道を歩み始め、世界のLNG貿易量は00年に比べ3倍強に拡大しました。比較的クリーンなエネルギーとされるLNGの需要は今後も順調に拡大する見通しで、世界最大の輸入国としてLNG業界をけん引してきた日本にとって海外への進出拡大のチャンスともいえます。

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(3)三菱商事の事業モデルも転換期

三菱商事は2022年3月期までの3年間の新しい中期経営戦略で「事業経営モデルによる成長の実現」を掲げました。同社の事業モデルは時代とともに変遷しており、創業期はモノの「トレーディング(貿易)」でしたが、00年代は資源などに投資する「事業投資」に軸足が移っていました。最近ではさらに投資先の事業に主体的に深く関与し、自ら成長させようという「事業経営」へとビジネスモデルを変えてきています。千代田化工への今回の追加出資もこの流れに沿ったものといえそうです。

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