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北朝鮮の飛翔体、米韓分析急ぐ 国連決議違反の恐れも

「短距離弾道ミサイル」の見方も

【ソウル=山田健一、ワシントン=永沢毅】北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、朝鮮人民軍が4日実施した「火力攻撃訓練」を金正恩(キム・ジョンウン)委員長が現地指導したと伝えた。東部の元山付近から日本海に向けた飛翔(ひしょう)体の発射を指すとみられる。軍事専門家からは兵器の一部が短距離弾道ミサイルに似ているとの指摘もあり、米韓軍事当局が分析を急いでいる。

朝鮮中央通信は東部戦線防衛部隊が「大口径長距離放射砲(多連装ロケット砲)と戦術誘導兵器」の発射訓練を実施したと伝え、写真を公開した。金正恩氏が双眼鏡を手に視察する姿や、ロケット砲とみられる兵器が上空に向け発射される様子が確認できる。金正恩氏は「力のみが平和を保証する」と話したという。

その中にはミサイルのような物体が移動式の発射台からオレンジ色の炎を出して飛び上がる写真も含まれる。韓国の聯合ニュースは5日、写真の兵器が「ロシアの短距離弾道ミサイル『イスカンデル』に似ている」とする韓国の軍事専門家の見解を紹介した。

ミサイルは誘導装置を備える点などでロケット砲と異なり、迎撃が難しいとされる。北朝鮮は2018年2月の軍事パレードで、イスカンデルと類似のミサイルを初公開していた。

仮に「戦術誘導兵器」が弾道ミサイルだった場合、国連安全保障理事会決議違反になるとみられる。北朝鮮としては金正恩氏の強い指導者像を演出しつつ、米国本土や米領グアムに届かない短距離ミサイルを選ぶことで米朝交渉を続ける姿勢を示した可能性がある。

トランプ米大統領は4日、「金正恩委員長は私との約束を破りたいとは考えていない。ディール(取引)は起きる!」とツイッターに投稿し、対話継続に意欲をのぞかせた。トランプ氏は2月の米朝首脳会談で金正恩氏が核・ミサイル実験の停止を約束したと説明していた。

一方、韓国国防省は5日、北朝鮮が発射した戦術誘導兵器が「新型」との分析を発表する一方、弾道ミサイルかどうかには触れなかった。南北融和を最優先する文在寅(ムン・ジェイン)政権は北朝鮮の飛翔体が国連決議違反の弾道ミサイルと確認されない限り、金正恩氏を刺激したくないとの思惑ものぞく。

北朝鮮は16、17年にそれぞれ年間約20発のミサイル発射を強行したが、韓国はグアムに届く可能性がある「ムスダン」や大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星15」など中長距離の弾道ミサイルでなければ、抑制的な対応に努めてきた経緯がある。

文大統領は10日に就任から丸2年を迎える。政権の節目を前に、北朝鮮が韓国を事実上狙った新型兵器の発射訓練をしたことは「文氏を難しい状況に立たせた」(韓国メディア)との受け止めも出ている。

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北朝鮮

金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。

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