2019年6月25日(火)

カナダ裁判所、炭素税「合憲」 州の訴え退ける

北米
2019/5/4 5:28
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【ニューヨーク=高橋そら】カナダの裁判所は3日、連邦政府による炭素税の導入について「憲法に違反しない」との判断を下した。トルドー政権は昨年、温暖化ガスの排出規制を打ち出していない4つの州などを対象に2019年4月から炭素税を徴収する方針を示し、一部州が「憲法に反する」として裁判所に訴えを起こしていた。

カナダ・サスカチワン州政府のモー首相は連邦政府による炭素税の導入に反発=ロイター

カナダ中西部のサスカチワン州控訴裁判所の裁判長が同日、温暖化ガスに対して一定額を徴することは「連邦政府の管轄内だ」と述べた。同州政府のモー首相は「炭素税は州の管轄権への侵害であり、カナダ憲法の秩序を乱す」と主張していた。

カナダ連邦政府のマッケナ環境・気候変動相は「裁判所は気候変動が人為的なものであり現代の大きな問題の一つであると認めた」と裁判所の決定を歓迎した。地元紙グローブ・アンド・メールは「トルドー首相の政治的な勝利だ」と報じた。

トルドー氏は18年、オンタリオ州、サスカチワン州など4つの州を対象に炭素税を導入すると宣言。連邦政府の定める基準を満たせなかった場合、19年4月から炭素1トン当たり20カナダドル(約1600円)を課し、22年まで毎年10カナダドルずつ金額を引き上げる計画を示した。人口が多く炭素税の影響を大きく受けるオンタリオ州では、炭素税の撤回を求める訴えが最高裁判所で審理されており、近く結論が出る見通しだ。

気候変動対策を巡り与党・自由党と野党・保守党の溝は深い。トルドー氏は「汚染の対価を支払わせることが気候変動対策として最も効果がある」と強調する。ただ、カナダでは冬季の家庭用暖房や車移動など日常生活への負担が増えるとして反発も根強い。保守党は10月の総選挙で勝利すれば炭素税を撤回すると公約している。

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