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トランプ氏、核軍縮に意欲 対ロ外交を再始動

(更新)

【ワシントン=中村亮、モスクワ=小川知世】トランプ米大統領がロシア外交の仕切り直しに着手した。3日にはロシアのプーチン大統領と1時間以上にわたり電話し、核軍縮やベネズエラ情勢の安定に向けた取り組みを議論した。2016年の大統領選でのロシアとの共謀疑惑が「シロ」と認定されたことを受けて、政権発足から目指してきたロシア接近を再び目指す可能性がある。

ロシア大統領府によると、電話協議は米側が提案した。トランプ氏は協議後にホワイトハウスで記者団に「ロシアなどと仲良くすることは良いことだ」と強調した。ロシア大統領府も両首脳は米ロが様々なレベルで接触を継続することで合意したと説明した。ポンペオ国務長官は来週にフィンランドで開く国際会議に合わせてロシアのラブロフ外相と会談する方向で調整している。

3月下旬にロシア疑惑の捜査結果が公表されてから米ロ首脳が接触するのは初めて。疑惑の捜査結果が「短時間」ながら話題にのぼった。トランプ氏によると、プーチン氏がロシア疑惑について「最初はとても盛り上がったが、最終的にささいな結果に終わったという趣旨の話をした」という。トランプ氏が20年の大統領選での介入を自制すべきだなどと要求することはなかった。

核軍縮をめぐっては、トランプ氏が記者団に「おそらく米ロ間で新たな取り組みを直ちに始めるだろう。とても包括的なものになるだろう」と語った。8月に米ロの中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効し軍拡競争の懸念も出ていた。ロシア側も核軍縮を念頭に「戦略的安定を含む様々な問題」について、積極的に対話を進める方針を確認したと説明した。

トランプ氏は核軍縮の枠組みに中国が加わる可能性にも言及した。米中貿易協議ですでに取り上げたと説明し「中国は枠組みに参加したがっている。貿易問題よりも熱心かもしれない」と主張した。トランプ氏は以前から中国の核戦力増強に懸念を示し、米ロだけを制約する軍縮条約に反対してきた。ただ中国はこれまで3カ国の枠組みへの参加に慎重な立場を示してきた経緯があり、トランプ氏の説明の真偽は現時点で不明だ。

混乱が続くベネズエラ情勢では、トランプ氏が水や食料供給などの人道支援でロシアとの協力に意欲を示した。トランプ氏によると、プーチン氏が「ベネズエラにとって前向きなこと以外には関与しない」方針を示したという。ポンペオ氏は1日にロシアに対してマドゥロ政権の支援停止を求めるなど米ロ関係は緊迫しつつあったが、トランプ氏は協力を強調した。

一方、北朝鮮の非核化を巡っては立場の違いが鮮明になった。ホワイトハウスによるとトランプ氏は「ロシアが圧力を強化・継続することが重要だ」との考えを伝えた。プーチン氏は「北朝鮮が義務を履行した場合には制裁を緩めるべきだ」と主張した。プーチン氏は4月下旬に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と会談し、段階的非核化を支持する考えを示していた。

トランプ氏はロシア疑惑の捜査が大詰めを迎えた18年秋以降はプーチン氏との目立った接触を控えてきた。18年12月には国際会議に合わせて会談を予定したがキャンセルした。直前にトランプ氏の不動産ビジネスを支えた元側近がロシア政府との緊密な関係を隠蔽した罪を認めたことが影響したとの見方が出ていた。

トランプ氏は18年7月にフィンランドでプーチン氏と会談し、ロシアによる米大統領選介入を否定して議会やメディアの猛反発を受けた。ロシアによるウクライナ侵攻は「オバマ前大統領の責任だ」などと語り、ロシアの責任を棚上げしたともとれる発言をしたこともある。プーチン氏のような強い指導者を好んでいるといわれ、ロシア疑惑での「完全な無実の証明」をテコに親ロシア政策を進める可能性がある。

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