麻生財務相、中国にADBの優遇見直し伝達 財政相と会談
【ナンディ(フィジー)=小太刀久雄】麻生太郎財務相は2日、中国の劉昆財政相とフィジーで会談した。麻生氏は中国が金融市場で新興国として振る舞うのでなく、責任ある貸し手となるよう要請した。アジア開発銀行(ADB)による中国向け融資も、国民1人あたりの所得水準が向上したのに伴い、優遇条件を見直すことが望ましいとの考えを伝えた。
中国は昔のシルクロードを経済圏としてつなぐ「一帯一路」構想を進める一方、相手国に過大な貸し付けが発生するとの懸念がある。
麻生氏は会談後の記者会見で「借りる側が金利などを計算しておくのが常識だが、気づいたら高金利で返せないことも。サラ金の多重債務と同じことが国でも起きる」と述べた。2017年にスリランカが対中債務の返済に行き詰まり、港の運営権を99年にわたって中国に譲渡したことを引き合いに出した。