2019年5月27日(月)

FOMC、米市場関係者の見方

北米
2019/5/2 5:59
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 米連邦準備理事会(FRB)は1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決めた。市場関係者に今後の見通しについて聞いた。

■株式■業績支えに上値余地

ドナルド・セルキン氏(ニューブリッジ・セキュリティーズのチーフ・マーケット・ストラテジスト)

FOMC後の記者会見で、FRBのパウエル議長が物価伸び悩みについて「一時的な要因が影響している」と述べた。発言を受けて「FRBが利下げに動く可能性は低い」との見方が市場に広がり、米株相場は売りに押された。実際の景気や物価動向をみても、FRBは年内は政策金利を据え置く可能性が高い。

1~3月期決算は当初は減益が予想されていたが、小幅ながら増益となりそうだ。世界経済の減速が米企業業績を下押しするとの懸念は杞憂(きゆう)に終わった。株式相場の上値余地は多少あるとみており、一部のハイテク株には投資妙味がある。ただ、景気や企業業績の力強い拡大は見込めず、S&P500種株価指数が足元の2900強から年内に3000を超えて上昇するのは難しいだろう。

■為替■目先はドル買いか

ウィン・シン氏(ブラウン・ブラザーズのシニア通貨ストラテジスト)

FOMC後に発表された声明で物価認識を下方修正したため、発表直後は年内の利下げの可能性が意識された。だが、FRBのパウエル議長は会見で足元の低インフレについて「一時的な要因が影響した」と述べ、現時点で「政策方針を大きく変えない」と明言した。FRBは市場が想定するほど利上げに慎重なハト派ではない。むしろ、米経済成長が続けば9月か12月にも利上げに動く可能性があるとみている。

FOMC声明の発表直後に円の対ドル相場は一時1ドル=111円ちょうど近辺まで上昇したが、議長会見を受け111円60銭近辺まで下落した。円は4月下旬に付けた年初来の安値(112円40銭)を下回れば、一段安となる可能性がある。日銀をはじめとする主要国の中央銀行がハト派色を強めるなかで、景気拡大が続く米国との政策の方向性の違いからドルが主要通貨に対して強含む展開を予想している。

■債券■長期金利はやや上昇か

ジョン・キャナバン氏(ストーン・アンド・マッカーシー・リサーチ・アソシエーツの国債ストラテジスト)

1日の米債券市場ではFRBのパウエル議長の記者会見を受け、2年債など年限の短い債券の売りが目立った。同議長が会見で「(利上げと利下げ)どちらの方向も必要性は低い」と述べた。物価については「一時的な要因が押し下げている」との見解も示した。物価の弱含みを背景にFRBが利下げに動くとの観測が後退し、債券売りにつながった。

FOMCの結果発表直後は債券が買われる場面があった。声明で物価についての認識を弱めたため、FRBが「ハト派」寄りの姿勢を示したとの受け止めが広がった。

目先は10年債利回りがやや水準を切り上げ、2.6%近辺でもみ合うと予想している。最近は米雇用や消費の強さを示す指標が目立つため、長期金利には若干の上昇余地がありそうだ。

(聞き手はNQNニューヨーク=川内資子、古江敦子、横内理恵)

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