皇室、新元号ゆかりの地 感慨ひたる

2019/5/1 20:42
保存
共有
印刷
その他

天皇陛下が即位された1日、全国各地の皇室にゆかりのある場所には、即位と改元を祝う大勢の人々が訪れた。皇居前広場は祝賀ムードに包まれ、歴代天皇家と縁の深い神社では厳粛な雰囲気のもと、参拝客らは新時代到来の感慨に浸った。

皇居前に集まった人たち(1日)

手作りの衣装に身を包み「梅花の宴」を再現する人たち(1日、福岡県太宰府市)

多くの参拝客で混雑する伊勢神宮(1日、三重県伊勢市)

京都御苑内を巡行する御霊神社のみこし。奧は京都御所(1日、京都市上京区)

あふれる人、祝賀ムード 皇居

皇居では1日、朝から即位や祝賀の儀式が続いた。半蔵門前は皇族方を乗せた車列が行き交い、皇居前広場には大勢の人が祝福につめかけた。

午後0時半ごろ、即位の儀式を終えた天皇陛下が車で皇居を出られた。車両はゆっくり進み、陛下は沿道に向けて笑顔を見せられた。外国人観光客や海外メディアの姿も目立った。

車列が過ぎて入場規制が解かれると多くの人々がせきを切って二重橋へ向かい、記念撮影。「令和」と書いた紙を持って撮影する人もいた。

さいたま市の主婦、清田倫子さん(35)は家族で皇居前へ。長女は4歳で、平成に改元した当時の自身とほぼ同じ年齢。「今回は前回と違って祝賀ムード。少しでも子供の思い出になれば」と駆けつけた。新時代は「平和で子供らがすくすく育つ時代に」と願った。

午後3時前、祝賀の儀式に出席するため、天皇、皇后両陛下が再び車で皇居に入られた。両陛下は小雨のなか窓を開け、笑顔で手を振られた。

雨脚はその後強まったが、皇族方の出入りは続いた。セーラー服姿の愛子さまはほほ笑みながら、傘をさした沿道の人たちに手を振られた。

万葉集の宴で和やかに 太宰府

大宰府政庁跡(福岡県太宰府市)では、令和の典拠となった万葉集の「梅花の宴」を再現するイベントが開かれた。当時を模した衣装に身を包んだ参加者らは明るい表情で新時代の幕開けを祝った。

梅花の宴は約1300年前、同市内にあったとされる大宰府長官だった大伴旅人の邸宅で開かれ、その様子を描いた万葉集の一節が新元号の典拠となった。イベントは市民グループ「大宰府万葉会」が主催し、オレンジや緑など鮮やかな衣装を着た同会のメンバー約50人が参加。「初春の令月にして、気淑く風和ぎ……」。令和の典拠となった序文が詠み上げられ、交代で32首を詠んだ。

大伴旅人役の向井克年さん(34)は万葉集研究を続ける高校教諭。「非常に華やかで、梅花の宴もこうだったのではと感じた」と笑みを浮かべた。見物した東京都北区の会社員、大谷晴彦さん(35)は「すごく和やかで当時の雰囲気を感じた。令和も和やかな時代に」と期待を込めた。

大宰府万葉会の松尾セイ子代表(80)は「梅花の歌のテーマは『永遠の幸せ』。平成は災害が多かった。新たな時代は幸せが絶えず続いてほしい」と願った。

雨の中参拝、新時代祈る 伊勢神宮

伊勢神宮(三重県伊勢市)は小雨の中、早朝から多くの参拝客が訪れた。皇祖神の天照大神が祭られている内宮(皇大神宮)では天皇陛下の即位を祝し、午前9時ごろに地元の子供らの手によって紅白の菓子「らくがん」約4万箱が配られた。

「令和最初の日に家族が健やかに暮らせる時代になるよう祈りたい」。菓子を受け取った愛知県豊田市の会社員、北口智さん(47)は混雑を見込んで午前2時に車で自宅を出発し、家族3人で参拝した。上皇さまの天皇としての最後のお言葉が胸に残ったという。「国民に寄り添う象徴天皇のあり方を示されたと思う」と語った。

午前11時には敷地内の舞台で約30分間の「奉祝舞楽」が披露された。笛などの伝統的な雅楽器による荘厳な演奏や、色鮮やかな衣装をまとった舞で新時代の到来を祝福した。

堺市から訪れた主婦(68)は「普段あまり接することのない舞楽を見ることができて感激した。厳かな空気が満ち、元号が変わったと実感できた」と興奮気味だった。

令和初日の参拝者は内宮だけで数万人規模に上り、伊勢市によると同神宮には10連休中に約55万人が訪れるとみられる。

伝統の祭り、みこし巡行 京都

天皇家と強い結びつきのある御霊神社(京都市上京区)では、伝統の「御霊祭」が初日を迎え、みこしが京都御苑(同区)を巡行した。

1千年以上続くとされる御霊祭は江戸時代まで、初日と最終日の2回、みこしが京都御苑を練り歩き、歴代の天皇が鑑賞していたという。近年、京都御苑の巡行は最終日のみだったが、2019年は新天皇即位の日と重なったことから54年ぶりに初日も行った。

この日は午後2時ごろ、約300人の白い法被をまとった男性らに担がれ、高さ3メートルほどのみこし3基が京都御苑に到着した。

「令和元年」ののぼりが掲げられるなか、沿道にいた観客らは「ほいと、ほいと」の掛け声とともに手拍子を送った。みこしは約30分をかけて御苑内を進み、かつて天皇の住まいだった京都御所の門前で宮司が「祭文」をささげた。

神戸市の会社員、山下勇次さん(60)は「令和の初日に伝統の祭りを見られたのはとても良いスタートだと思う」と満足げに語った。小栗栖元徳宮司は「御霊祭と新天皇即位の日が重なり、双方のお祝いを市民らと迎えられ、感慨深い」と話した。

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]