ベネズエラで軍の一部離反、71人負傷 幹部は同調せず
野党のクーデター呼び掛け

2019/5/1 6:44
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【サンパウロ=外山尚之】南米ベネズエラで30日、野党指導者のグアイド国会議長が軍に蜂起を呼びかけ、これに呼応した一部の軍人がクーデターのため決起した。軍幹部はマドゥロ大統領を依然として支持している。大統領は鎮圧を指示し、弾圧で少なくとも71人の負傷者が発生した。グアイド氏とともに決起を呼びかけた反政府運動の指導者がチリ大使館に保護を求めるなど、事態は同氏の狙い通りには進んでいない。

グアイド氏は30日朝にツイッターにビデオを投稿した。複数の軍人を背景に「権力の不当な侵害の終焉(しゅうえん)が始まった」と演説し、マドゥロ政権打倒に力を貸すように軍へ協力を求めた。だが現地情報によると、グアイド氏の呼びかけに応じた軍人は一部にとどまったようだ。

パドリノ国防相は30日、軍幹部らを従えた演説で「野党陣営の武力による権力奪取は不可能だ」と述べ、鎮圧に自信を見せた。マドゥロ大統領はツイッターに「軍の指揮官らは人民への忠誠心を示した」と投稿した。政府軍は市民への弾圧姿勢を維持しており、カラカスに隣接するチャカオ市の発表によると、少なくとも71人が負傷した。

軍が政権から離反しなかったことで、野党陣営は厳しい立場に追い込まれた。グアイド氏とともにクーデターを呼びかけた野党指導者のレオポルド・ロペス氏は30日午後、チリ大使館に保護を求めた。チリ大使館はロペス氏を一旦受け入れたが、同日夜、同国のアンプエロ外相がロペス氏をスペイン大使館に移動させたと発表した。蜂起に参加した軍人25人もブラジル大使館に逃げ込んだ。

グアイド氏は30日夜、ツイッターにビデオを投稿し、1日にも大規模な反政府デモの開催を呼びかけた。「自由が訪れるまで、我々は途中で放り出すわけにはいかない」と述べ、マドゥロ政権が崩壊するまで街頭に出続けるよう市民に求めた。

ポンペオ米国務長官は30日、米CNNの取材に応じ、クーデター発生後、マドゥロ氏がキューバへの亡命を準備したものの、ロシア政府の助言で計画を撤回したとの見方を示した。ロシア外務省の広報官は「ワシントンは情報戦争の一環として、嘘の情報を使っている」と否定した。

トランプ氏は30日、「米国はベネズエラ国民と彼らの自由とともにある」とツイッターに投稿。その後、マドゥロ政権を支援するキューバ政府への「最上級の制裁」を予告し、キューバ軍兵士にベネズエラから去るよう警告した。

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