メキシコ大統領、「米は新NAFTA批准を」
【メキシコシティ=丸山修一】メキシコのロペスオブラドール大統領は30日朝の定例会見で、米政府に北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」の早期批准を求めた。米側が求めていた労働者保護の法案が前日に議会で可決されたことを受け、「今度は米側の番だ」と話した。

USMCAは2018年11月にカナダを含めた3カ国で合意した。現在は発効に向け各国の批准を待っている状態にある。新協定の旗振り役だった米国では民主党、共和党の対立の中で審議が進まず、批准のメドが立っていない。
メキシコにとって米国は最大の貿易相手国だ。特に自動車輸出に関しては新協定で新たな制約を受けるだけに、早期の批准で投資環境を整えたいとの思惑がある。
メキシコでは18年12月に新政権に替わったが、新政権メンバーも交渉にオブザーバーとして参加していた経緯もあり、現在の連邦議会は批准には前向きで大きな障害はないとみられる。