2019年6月27日(木)

ユーロ圏1.5%成長、1~3月年率 持ち直しの動き

ヨーロッパ
2019/4/30 19:08
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【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)統計局が30日発表した2019年1~3月期のユーロ圏の域内総生産(GDP)速報値は、物価変動を除いた実質で前期比0.4%増えた。市場予測(0.3%増程度)を上回った。年率換算の成長率は1.5%で、堅調な個人消費を背景に、低迷していた景気に持ち直しの兆しが出てきた。

ユーロ圏は輸出の低迷が続く(ドイツ)=ロイター

18年10~12月期の成長率は年率0.9%で、2四半期連続で1%を下回っていた。プラス成長は24四半期連続。3月のユーロ圏失業率(速報値)は7.7%と約10年ぶりの低水準が続く。サービス業を中心に企業は雇用拡大に動き、労働力確保のための賃上げが消費を支えている。消費に後押しされる形で「域内の投資も増え、成長を底上げしている」(仏ソシエテ・ジェネラル)。

フランスの1~3月期のGDP速報値は前期比0.3%増だった。輸出の伸びが小さく輸入が増えたため、外需はマイナス要因になったものの、個人消費が全体を押し上げた。イタリアは0.2%増と3四半期ぶりにマイナス成長から脱した。詳細は公表されていないが、産業、サービスがプラスに貢献した。スペインは0.7%増だった。

だが仏では「黄色いベスト」運動は今なお続いており、成長に下押し圧力がかかっている。伊では財政運営を巡る欧州委員会との対立など政治の混乱が企業の借り入れコストを押し上げている。

英国のEU離脱や米国との通商交渉など先行き不透明感は強く、成長が持続するかは見通せない。「輸出など懸念材料もある」。ルメール仏経済・財務相は30日の仏テレビでこう語った。中国経済の減速が景気刺激策で歯止めがかかるなどプラス材料はあるが、ドイツを筆頭に輸出依存度が高いユーロ圏にとって成長に直結する貿易の不安材料は多い。

独Ifo経済研究所が集計した独企業景況感指数は3月に7カ月ぶりに改善したものの4月に再び低下した。柱の製造業は8カ月連続で悪化。欧州の新しい排ガス規制に加え、中国市場の減速が響く。1~3月の純利益が前年同期比8%減だった独ダイムラーのツェッチェ社長は26日、「1~3月期の結果からは19年の財務目標の達成に近づいたとは言えない」と事業環境の厳しさを訴えた。

近く始まる見通しの米欧の通商交渉ではトランプ米政権が自動車の輸入関税をちらつかせる。「最終的には関税を課せられそうだ」(独コメルツ銀行)との見方もある。英国のEU離脱は10月まで延期されたが、混乱を招く「合意なき離脱」の可能性はなお残る。IHSマークイットは19年のユーロ圏成長見通しについて、製造業の不振がサービス業に波及し、1%に満たない可能性を指摘する。

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