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サッカー4代表の熱い夏 世界に挑む若手ら注目

サッカージャーナリスト 大住良之

気象庁発表のデータによると、東京の2019年の4月は10年以来の寒さだったらしい。夜の試合の取材では、ダウンコート姿の記者も少なくなかった。だが5月下旬、日本のサッカーはいきなり「熱い夏」に突入する。森保一監督率いるA代表とU-22(22歳以下)代表(東京オリンピック代表)、影山雅永監督率いるU-20代表、そして高倉麻子監督率いる女子代表の「なでしこジャパン」、計4つの日本代表が、次々と「世界」に挑戦するのだ。

U-20ワールドカップの先に東京五輪

「先鋒(せんぽう)」を務めるのはU-20日本代表。5月23日に開幕するU-20ワールドカップ・ポーランド大会に出場する。出場24チーム。日本はB組に入り、グループリーグではエクアドル、メキシコ、イタリアと対戦する。

2年に1度開催され、1999年には準優勝に輝いたこともあるこの大会。日本は前回、10年ぶりにアジア予選を突破して2017年韓国大会に出場を果たしたが、ラウンド16(決勝トーナメント1回戦)でベネズエラに0-1で敗れた。しかしそのなかでDF冨安健洋とMF堂安律はすでに昨年からA代表の中心選手になっている。今回もGK大迫敬介(広島)、MF安部裕葵(鹿島)らすでにJリーグで中心選手として活躍している選手もいる。

U-20日本代表には広島・GK大迫(右端)らJリーグで中心選手として活躍する選手もいる=共同

今回はU-20ワールドカップの先に「東京オリンピック2020」という目標も控えている。若い選手たちのはつらつとしたチャレンジに注目だ。決勝戦は6月15日だ。

続いて6月1日には、U-22日本代表が南フランスで行われるトゥーロン国際大会に出場する。こちらは12チーム出場の親善トーナメントだが、1967年に第1回大会が行われ、今年で47回目。「若手の登竜門」と呼ばれる歴史ある大会である。森保監督は翌週からのA代表の活動があるため、横内昭展コーチが監督代行を務めると思われる。

日本はA組でイングランド、チリ、ポルトガルと対戦する。グループリーグの後は準決勝と順位決定戦で、6月11日から15日まで行われる。来年のオリンピックに向け、チーム力を上げるとともに選手層を広げたい大会だ。

コパ・アメリカの選手招集に不透明感

6月3日の月曜日に始まる週には、日本代表の活動がスタートする。

まずは国内での親善試合だ。6月5日に豊田スタジアムでトリニダード・トバゴと、そして6月9日にはひとめぼれスタジアム宮城でエルサルバドルと対戦し、6月14日に開幕する南米選手権(コパ・アメリカ、決勝は7月7日)に向けて準備する。

コパ・アメリカは南米サッカー連盟の公式選手権大会。アジアでいえば1月にアラブ首長国連邦(UAE)で行われたAFCアジアカップに当たる。南米サッカー連盟は加盟国がわずか10しかないため、90年代から他の大陸連盟から2チームを招待し、12チームで大会を開催している。日本も99年に初出場し、今回が2回目の出場となる。

ただ、大きな問題がある。日本国内での2つの親善試合は「代表ウイーク」に当たっているため国内外を問わず呼びたい選手を招集できるが、コパ・アメリカは所属クラブが出場を許すかどうかにかかっているのだ。しかもJリーグ(J1)も毎週末に日程が入っているだけでなく、ルヴァンカップのプレーオフステージ(準々決勝進出チーム決定戦)、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のラウンド16もコパ・アメリカと日程が重なっている。この時点に至っても日本サッカー協会とJリーグ間の話し合いが十分に行われておらず、どんな代表チームを編成できるのか、まったく不明なのだ。

FC東京・久保建の「三段跳び」でのA代表入りはあるか=共同

興味深いのが、Jリーグで首位FC東京の攻撃をけん引しているMF久保建英の扱いだ。「飛び級」で2017年のU-20ワールドカップにも出場した(15歳だった!)久保は、今年6月4日に18歳の誕生日を迎え、当然、今回もU-20の出場権があるが、すでにU-22日本代表にも招集されている。そして最近のJリーグでの活躍から、「日本代表に入ってもおかしくない」とまで言われている。もし久保が「三段跳び」のようにコパ・アメリカに出場すれば、一挙に話題沸騰となるだろう。

サッカー女子日本代表の高倉監督はメンバー選びで最後まで悩みそうだ=共同

そして6月7日には、フランスで女子ワールドカップが開幕する。第1回大会(1991年)から8大会連続出場、2011年に優勝を飾り、15年は準優勝を飾っているなでしこジャパン。16年に就任して若手への切り替えを進めてきた高倉監督は、今年に入ってからも20歳そこそこの選手を次々と登用している。メンバー発表は5月10日の予定だが、才能豊かな選手が多く、最後まで悩むことだろう。

世界の女子サッカーはこの8年間で大きく進歩し、優勝を争う力をもったチームは5以上ある。小柄ながら圧倒的なテクニックをもった選手をそろえたなでしこジャパンは、7月7日の決勝戦、リヨンのスタジアムの舞台に立つことができるだろうか。

4つの日本代表チームがポーランド、フランス、そしてブラジルを舞台に世界に挑む――。まさに「熱い夏」が始まる。

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