サムスン、半導体事業6割減益 1~3月 悪化とまらず
【ソウル=山田健一】韓国サムスン電子が30日発表した2019年1~3月期連結決算は、営業利益が6兆2300億ウォン(約6000億円)と前年同期比60%減少した。同日公表された部門別の営業損益は、主力の半導体部門の利益が64%減の4兆1200億ウォンと苦戦した。同部門の減益は2四半期連続で、減益幅も18年10~12月期の29%から大幅に拡大した。

半導体部門は18年通期ベースでサムスンの営業利益の7割強を稼ぐ大黒柱だ。しかし、昨年10月以降、スマートフォン(スマホ)やサーバーの記憶媒体に使うメモリーの価格が在庫の増加を理由に下落に転じ、収益環境が厳しくなっている。
1~3月期の半導体の利益額は、過去最高だった18年7~9月期の3分の1程度の水準に縮小した。韓国市場では4~6月期についても1~3月期と同水準の利益を予想する声が多い。
自社製スマホを中心とするIT&モバイル部門の営業利益は40%減の2兆2700億ウォン。スマホの世界出荷台数が18年まで2年連続で前年割れし、ライバルの米アップルや中国華為技術(ファーウェイ)との競争が激化するなか、販売促進費がかさんだもようだ。
有機ELパネルと液晶パネルをてがけるディスプレー部門は、5600億ウォンの赤字だった。赤字は16年1~3月期以来、3年ぶり。テレビ向けの液晶パネルが赤字に転落したほか、アップルのスマホ販売の不調に伴い、同社に供給する有機ELパネルも不振だった。
1~3月期の全体の連結売上高は13%減の52兆ウォン強だった。